終末感が強すぎる。
西部劇でおなじみの乾いた大地を転がる草のかたまり、回転草(タンブルウィード)がアメリカのユタ州ソルトレークシティー近郊の街を占拠しました。
ユタ州の州都ソルトレークシティーの近郊都市に、強風に煽られた回転草の群れが押し寄せたのは、先週土曜日(3月2日)のこと。
本当に「群れ」という表現がピッタリで、クルマは埋まるわ、家の屋根近くまで積み上がるわで、住民は後始末に追われました。イーグルマウンテン市は、回転草の回収処分について、数個なら各家庭でなんとかしてもらって、クルマや家が埋まるほど大量の場合は、市が回収処分を行なうとしています。
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まっくろくろすけくらいのサイズだったら、ちょっとくらいはかわいいと思えるかもしれないけれど、さすがにこのサイズで無数に転がってきたら怖くないですか?
自転車に乗っている少年は、ぶつかった回転草で手をけがしたように見えます。実際、植物の幹や枝がとげのようになっている部分もあるため、素手で触るのは避けた方がいいようです。
Tumbleweeds overtake roads in Utah A crop of tumbleweeds has been causing traffic and fire hazards in two western states.These plants are covering roadways, freeways and streets in Nevada and ... https://youtube.com/shorts/-dwgtAY1GCk?si=pzAmI2ckvaW270G7この動画のコメント欄では、テキサス州の人がピックアップトラックで走行中に時速50kmくらいでわざとぶつかったら、ラジエーターに穴が開いて水温が上がったとコメントを残しています。テキサス州でも、農村部の乾燥した地域では回転草を見かけます。大群で転がっているのは見たことありませんけど。
同じく回転草ストームに見舞われたサウス・ジョーダン市の住民によると、今回のような出来事は初めてじゃないそうです。馴れるのもいかがなものかと思いますね…。
回転草は、特定の植物の名前ではありません。アメリカ南西部や西部などの乾燥した地域に生息する比較的背の低い(15cmから1mほど)植物で、地上に出ている部分が風などによってちぎれて、丸いかたまりのようになって転がっていきます。今回は、最大瞬間風速27mの強風に乗って大量の回転草が街に転がり込んできたようです。
回転草と呼ばれる代表的な植物は、1873年にロシア移民がサウスダコタ州に持ち込んだハリヒジキ属の植物(ロシアアザミ)なのだとか。そこから先は想像に難くないですよね。転がったり貨物列車に乗ったりして北米に広がっていきました。
回転草といえばロシアアザミをイメージしやすいようですが、枯れ草のかたまりが風に煽られて転がり始めれば回転草ができあがるので、他にもいろんな種の植物があるみたいですよ。
回転草で家の玄関が隠れたり、通勤・通学中にクルマが回転草に埋まったりした場合、「今日ちょっと回転草がひどいので休みます」って正当な理由として通用するのでしょうか…。
気候災害から逃れる避難地「気候ヘイブン」はどこに? 温暖化が進行するなかでもまだ比較的住みやすい安息地という意味で、専門家が「気候ヘイブン(Climate Haven)」とよぶ地域に人々が引っ越すようになってきています。 https://www.gizmodo.jp/2023/11/why-climate-havens-could-be-closer-to-home-than-you-d.htmlReference: The Guardian, FOX 13 News Utah, L I T T L E W E D G I E S / Instagram, WFAA, Treehugger