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【凄まじい職人技】世界最古の刃物ブランド「ツヴィリング」50周年ナイフ発売、岐阜県関市の工場を見学してきた

  • 2023年7月8日
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世界で最も古い刃物ブランド「ツヴィリング(zwilling)」が、日本上陸50周年を迎えました。

 

ツヴィリングはドイツで1731年、刃物職人のヨハン・ペーター・ヘンケルス(Johann Peter Henckels)がゾーリンゲンのカトラリーギルドに「双子マーク」を登録して創業。全世界に支社を持ち、100カ国以上で包丁を中心に、ホーロー鍋の「ストウブ(staub)」をはじめとする調理器具や家電製品を取り扱っています。

 

日本には「ツヴィリング J.A. ヘンケルスジャパン」を1973年に設立。2004年に岐阜県関市にナイフ工場を設立して以降は、ツヴィリングの国内販売する全ナイフの95パーセントを同工場で製造し、海外50カ国にも販売しています。

 

同社は日本創立50周年を祝し、全技術を集結した記念モデルナイフを250本限定で販売することを発表。さらに 6月28日にはドイツから役員が来日し、関市の工場見学と、ナイフの切れ味を訴求したギネス世界記録に挑戦するイベントを開催しました。

 

五十にして天命を知る」技術集結の最高傑作

50周年記念モデルナイフとして発表されたのは「ZWILLING TENMEI(天命)」。

 

パッケージに記された「五十にして天命を知る」という言葉の通り、50年で培ってきた技術の粋と、これからの50年に届けしたい料理体験への願いが込められている、特別な1本です。

 

高級感あふれるデザインで、最大の特徴はなんと言ってもブレード。新たに誕生した「太陽」ダマスカスは、燦々と輝く日の光がボルスター部(ブレードとハンドルの結合部)までつながる圧倒的スケールで日出ずる国を表し、ツヴィリングロゴも燃えるような金色でそれに応えています。

 

また艶やかな黒のハンドルは、目を引く金色のリベット(ハンドル部にある丸い締結部品)とスペーサー(ハンドルとナイフ本体の間に挟む薄いシート)とのコントラストで歴史の深さを表現しています。

 

切れ味は、岐阜県関市の選ばれた職人による最高技術の本刃付けに加えて、ツヴィリング最新鋼材FC63を使用しており長く続きます。持ち手はストレートハンドルで、金色部分は管楽器などにも使われる真鍮製。重い素材である真鍮の採用と、古くからツヴィリングが重視してきた重量バランスへのこだわりを両立させたのは、50年をかけて培ってきた技術的ノウハウと関の職人魂です。

 

実用品としてはもちろん、芸術品としても優れています。飾って楽しめるよう、スペシャルな木箱は「太陽」ダマスカスが映える包丁スタンドにも。和を感じる桐箱は、包丁の重厚感と融和します。

 

ZWILLING TENMEI  三徳包丁 刃渡り18cm

44000円 (税込)

●材質:ブレード/FC63、ハンドル/マイカルタ
●生産国:日本
●取り扱い店舗:ツヴィリング公式オンラインショップ、ツヴィリング直営店(一覧)、その他有名百貨店

 

岐阜県関市で完結。最高のナイフができるまで

ZWILLING TENMEIをはじめ、ツヴィリングの包丁を1本1本手作りしている関本社工場を、今回特別に見学させてもらいました。

 

まずは外注工場でプレス加工された包丁の原型を、1000度以上の窯で加熱処理します。

 

1本1本吊り下げられた包丁の原型は、ゆっくりと高温の釜の中へ。周囲もかなり高温で、汗が吹き出します。

 

続けて、マイナス70度以下の窒素ガスで一気に冷凍! ここでダマスカス模様の製品は再び窯に入れられ、同模様が生成されます。

 

ここからは職人技の見せどころ。長年の経験をもとに、包丁を1本1本、ソリやネジレを目で確かめながら金槌で叩き真っすぐに修正。金槌で「カン、カン」と打ち付ける音が響き渡ります。

 

刃とともに「柄」の部分の溶接・研磨作業も進行。さまざまな種類の角ばったハンドルの原型を、滑らかな曲線を絵描くよう研磨していきます。

 

本刃付けの研削・研磨を経て洗浄後、重ねた紙を何枚切れるかという切れ味テストや曲げ強度テスト、高い場所から落下させる耐久度テストなどが行われ、クリアしたもののみが製品としてようやく世に出ていくのです。

 

ギネス世界記録に挑戦!結果は……

工場見学とともに、当日はギネス世界記録に挑戦する記念イベントも開催されました。挑戦するのは3名の料理家で、写真左からChef Ropiaさん、ネシアンの和田美穂さん、MIZUKUDASAIさんです。

 

挑戦テーマは「1分間で切ったトマトの最多数 」。

ZWILLING TENMEIをはじめとするツヴィリング最高クラスのナイフで、それぞれ1分間、トマトを8等分にひたすらカットしていきます。なお皮に刃が入りにくく、それでいて果肉が柔らかいトマトは、切れ味が最もよくわかる食材の代表とされています。

 

緊迫の空気の中、ツヴィリングの包丁でトマトを次々とカットしていく挑戦者たち。終了後、Ropiaさんは「手が震えました」と、かなり緊張していたことを明かしつつも「ナイフはさすがですね。スパッと切れました」とナイフの切れ味はバツグンで、安心感があったことを報告。

結果、これまでの基準となる10個を上回る、11個の世界新記録を打ち立てたのでした。

 

イベントに際し、同社のアンドリュー・ハンキンソン社長は「日本におけるツヴィリングの物語は、ほかに類を見ないグローバリゼーション、特別な物語を体現しています」とコメント。

世界一の切れ味と称されるツヴィリングのボブ・クレーマーナイフで、SNSで話題のペットボトルカットにチャレンジするアンドリュー社長。今回はボブ・クレーマー氏をリスペクトし特別に挑戦。

 

「日本人、そして私をはじめとするアメリカ人がドイツの会社で働き、関市で刃物を作り、20カ国以上輸出しています。日本の職人技、ドイツの技術、そして多文化なチームの組み合わせは、魅力的で感動的なグローバライゼーションストーリーになったと思いませんか。最先端の技術と昔ながらの職人技が共存する素晴らしい工場です」と笑顔をみせました。

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