【話題の蒸篭(せいろ)】お手入れに洗剤はNG! 【憧れの鉄瓶(てつびん)】赤サビは、克服できる! 困ったときも役立つキッチン道具の大判バイブル

  • 2025年4月25日
  • CREA WEB

蒸篭は年間通して蒸し料理が作れる優れもの。アルミの蒸し板があると焦げる心配がない。

 近ごろ調理器具で話題の蒸篭。ヒノキやスギ、竹など天然樹木製ならではの素朴でシンプルなデザインは、そのまま食卓に並べて見栄えがするのも魅力です。また、重くてサビるとやっかいなのに、なぜか惹かれる鉄の道具、鉄瓶。上手に長持ちさせる秘訣はあるのでしょうか? 長年にわたり暮らしの道具選びに関わってきた、ひとり問屋の日野明子さんに新刊『台所道具の選び方、使い方、繕い方 使い込み、育て、変化を楽しむ。』を元に、調理道具のメンテナンス術を伺いました。


蒸籠は洗剤を使わず、シュロタワシでゴシゴシ洗う


蒸籠は中華蒸籠と和蒸籠があるが、写真奥は香りのよいタケ製の中蒸籠。

 油を使わずヘルシーな料理が作れる、野菜などが水っぽくならず栄養を逃がさないなど、蒸籠が人気の理由はさまざまですが、使い慣れているフッ素樹脂加工のフライパンや金属製の鍋と異なり、塗装されていない白木の調理道具は使ったあとのお手入れが気になるところ。

「『水分を呼吸する』という木の性質を活かした道具は日本にたくさんありますが、その代用格が蒸籠やおひつ。木は加熱調理した素材の水分を程よく調湿してくれる優れものですが、使っていくうちに、いずれも買ったときの木の白さは保てません。『白木のものは使い込んでこそ』と頭に入れて、食器洗い用洗剤は使わずに、しっかりタワシでこすって洗ってください」と日野さん。

洗い方のおおまかな手順はこちら

中華蒸籠は使用後にまずサッと水を流し、洗剤は使わずにシュロタワシで洗います。油がついている場合はクレンザー(粉)を使ってこすり洗いして水を切り、枠の内側に入り込んだ水もよく振って外に出すようにします。あとはしっかり乾燥させます。


使用後はサッと水で汚れを流す。

シュロタワシで洗う。油がついている場合はクレンザーをつけて。

蒸籠を振って水をよく切ったあとは、しっかり乾くまで自然乾燥。真水で空蒸し(蒸籠に何も入れずに蒸すこと)すると乾きが早くなる。

しまい込まずに、風通しの良い場所に置く。

「使ったあとは水気を飛ばす」のが、鉄と仲良くなる秘訣


全面を覆うほどの赤サビが出ても、沸かしたお湯を白い器に入れて透明だったら、このまま使い続けても大丈夫。

 鉄分も吸収できて、健康にも繋がる鉄瓶。海外での流行も話題になり、鉄瓶のある暮らしに憧れて、手に入れた人も多いのでは? でも、ちょっと放置している間にサビが発生して、どうしたらいいの、思ったことはありませんか。

「黒い鉄に赤サビが出る。初めて体験した方は、その黒と赤のコントラストに『この世の終わり』と思うかもしれません。でも安心してください。表面だけのことなので、サビの部分を取ってしまえばいいのです」と日野さん。

 金属タワシなどでこすり取って水を入れてすすぎ、緑茶パックをいれて15〜30分沸かします。沸かした湯が透明になるまで、何度か緑茶をパックに入れて沸かす作業を繰り返すとよいそうです。


サビを金属タワシ(写真はスチールウールタワシ)でこすってはがす。

水を入れてすすぐ。

緑茶パックを入れる。茶葉が張り付かないように、必ずパックに入れて。

沸かした湯が透明になるまで、緑茶をパックで沸かす、この作業を数回繰り返す。

 日野明子さんの『台所道具の選び方、使い方、繕い方』からほんの一部をご紹介しました。「自分にあった調理道具選びをしたい」「気に入った道具を使い続けたい」「正しいお手入れ方法を知りたい」という方に役立つ著者の経験に裏打ちされたノウハウが、大きな写真と一緒に丁寧に紹介されている1冊です。木や鉄のほかにも漆、銅・真鍮など素材別の調理道具のお手入れ法も満載。

 新たに調理道具がほしいという方も、気に入って手に入れた道具を大切に使い続けたい方も、ぜひ手にとってみてください。

文=CREA編集部
写真=吉崎貴幸

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