寒さの中で力を蓄えた草木がパワフルに芽吹き、次々と花を咲かせて景色をカラフルに染め上げる春がやってきました。
日本各地に、今しか見られない、かけがえのない美しい景色が広がっています。今回は奈良県が誇る、春の絶景・風物詩をピックアップ。自然が織りなす奇跡の景色に会いにいきませんか?
曽爾村の奇峯・屏風岩の麓に広がる屏風岩公苑。
屏風岩はその名の如く屏風を立てたように屹立する断崖で、ノコギリの刃のように鋭くそびえる姿が特徴。標高940メートル、幅2キロメートル、長さ200メートルもあり、国の天然記念物に指定されている。
春には苑内のヤマザクラ約300本が咲き乱れ、断崖とのコントラストが圧巻。さらに、開花時期に合わせてライトアップも行われ、幻想的な光景が広がる。
見ごろの時期:4月中旬〜4月下旬
ライトアップ開催日時:2024年4月6日(土)〜5月6日(月)18:00〜21:00
屏風岩公苑の山桜(びょうぶいわこうえんのやまざくら)
所在地 奈良県宇陀郡曽爾村長野
https://yamatoji.nara-kankou.or.jp/02nature/07park/03east_area/byobuiwakoen/
藤原氏の氏神であり、藤の名所として知られる春日大社。
社紋は藤原氏の家紋「下り藤」であるなど藤の花にゆかりがあり、御巫さんが頭に挿すかんざしもかわいらしい「藤のかんざし」だ。
境内の藤の花が見ごろを迎えるのは、例年4月末ごろから5月上旬ごろ。訪れた際には、花とともに御巫さんのかんざしにもぜひご注目を。
春日大社の御巫さんの「藤のかんざし」(かすがたいしゃのみかんこさんの「ふじのかんざし」)
所在地 奈良県奈良市春日野町160
https://yamatoji.nara-kankou.or.jp/01shaji/01jinja/01north_area/kasugataisha/
「修二会」は、奈良の大寺が国家の繁栄や五穀豊穣、天下泰平などを祈る春の伝統行事。南都七大寺の一つ、薬師寺では、毎年3月25日から3月31日にかけて行われる。
ご本尊・金堂薬師三尊像に十種の造花を供えるところから「花会式」と呼ばれ、奈良に春を告げる行事として親しまれている。
期間中は、「練行衆」と呼ばれる僧侶衆による1日6回の悔過法要も実施。世界中で深刻な問題が多発する今、僧侶の迫力ある読経とともに平和への祈りを捧げたい。
開催期間:毎年3月25日〜3月31日
薬師寺の修二会花会式(やくしじのしゅにえはなえしき)
開催地 奈良県奈良市西ノ京町457
https://yamatoji.nara-kankou.or.jp/01shaji/02tera/01north_area/yakushiji/event/arkyfy1eei/
「続日本100名城」や「日本さくら名所100選」に認定され、「国史跡」にも指定されている史跡郡山城跡。毎年桜の季節になると、史跡郡山城跡および城下町では「大和郡山お城まつり」が開催される。
満開の桜が城跡を包み込む様子は趣たっぷり。時代行列や白狐渡御、金魚品評会といった多彩なイベントが行われ、毎年多くの人々で賑わう。
開催期間:3月下旬〜4月上旬
大和郡山お城まつり(やまとこおりやまおしろまつり)
開催地 奈良県大和郡山市城内町
https://yamatoji.nara-kankou.or.jp/03history/07castle/02west_area/koriyamajoseki/event/32bondifi7/
岡寺は、明日香村の東にある岡山の中腹に位置し、日本で最初の厄除け霊場として知られる、663年に義淵僧正によって創建された古刹。古称は龍蓋寺という。
季節ごとに花を楽しめるが、ゴールデンウイークから6月にかけての天竺牡丹(ダリア)のシーズンは特におすすめ。
手水舎や池に色とりどりの天竺牡丹(ダリア)が浮かべられ、境内中が華やぎをみせる。
岡寺の天竺牡丹(ダリア) (おかでらのてんじくぼたん ダリア)
所在地 奈良県高市郡明日香村岡806
http://yamatoji.nara-kankou.or.jp/01shaji/02tera/03east_area/okadera/
標高959メートルの葛城山は、秋になると、辺り一帯が金色の大海原に変わるススキの名所。
春はツツジが見頃で、4月下旬〜5月中頃(例年)は、山が群生するツツジに覆われ、燃えるような赤に染まる。
「一目百万本」といわれる絶景を、大阪平野が見渡せる360度の大パノラマで堪能できるのが魅力だ。
葛城山(かつらぎさん)
所在地 奈良県御所市櫛羅
https://yamatoji.nara-kankou.or.jp/02nature/01mountain/02west_area/katsuragisan/
役小角を開祖とする修験道のお寺、金峯山寺。吉野山の中腹にあり、春には山一帯が桜に包まれ、美しい風景が広がる。
毎年春と秋に秘仏の蔵王権現が特別公開され、期間中は御前に設けられた発露の間(ほつろのま)で、間近から参拝できる。
金峯山寺(きんぷせんじ)
所在地 奈良県吉野郡吉野町吉野山2498
https://www.kinpusen.or.jp/
高取町にある眼病封じで有名なお寺、壷阪寺。
毎年3月には本尊の十一面千手観音を囲むようにひな人形が展示される。本堂(礼堂)と大講堂の2会場で開催され、2024年は過去最大となる約4,000体のひな人形が祀られる。
また春は桜やヤマブキが見頃を迎え、高さ約15mの壷阪大仏が美しい花に包まれる。
大雛曼荼羅公開
2024年3月1日(金)〜4月18日(木)
壷阪寺の大雛曼荼羅(つぼさかでらのだいひなまんだら)
所在地 奈良県高市郡高取町壷阪3
http://inori.nara-kankou.or.jp/inori/hihou/tsubosakadera/event/h5lgdtt8mz/
花の御寺、長谷寺。万葉集にも歌われた泊瀬(今の呼び名は初瀬)の地にあり、春は桜や牡丹など、数多くの花に包まれ、四季折々の素晴らしい風景が見られる。
春と秋には本尊の特別拝観が行われ、10メートルを超える大きな観音様に直接触れて参拝できる。
長谷寺(はせでら)
所在地 奈良県桜井市初瀬731-1
https://www.hasedera.or.jp/
広陵町と河合町にまたがる県営馬見丘陵公園。
豊かな自然環境を県民の憩いの場として活用してもらおうと整備された園内では、1年を通して四季折々の自然を満喫できる。
開花シーズンにあわせてイベントも開催され、見渡す限り一面に咲き競う花々を堪能できる。春はチューリップや桜が咲き誇る。
馬見丘陵公園(うまみきゅうりょうこうえん)
所在地 奈良県北葛城郡河合町佐味田2202
https://yamatoji.nara-kankou.or.jp/02nature/07park/02west_area/narakenumamikyuryokoen/
※記載されている「見ごろ」は例年のものです。気候等により変動する場合がございます。
※施設の休業、イベントの中止・延期の可能性がございます。事前にご確認ください。
文=佐藤由樹
協力=奈良県観光公式サイト「あをによし なら旅ネット」