北鎌倉の名刹・明月院境内の茶屋「月笑軒」で水琴窟に耳を傾ける静寂なひととき

  • 2025年5月17日
  • ことりっぷ


初夏の訪れとともに青く美しいアジサイが境内を埋め尽くす明月院境内にたたずむ「月笑軒」。数寄屋造りの情緒豊かな茶屋に足を踏み入れると、そこには緑豊かな庭園を望む、ヨーロピアンアンティークの家具で彩られた洗練された空間が広がります。北鎌倉の散策のひとときに、季節の移ろいを感じながら心静かな時間を過ごせる茶屋をご紹介します。
北鎌倉の自然に囲まれた静かなエリアにたたずむ明月院は、春の枝垂れ桜、初夏のアジサイや菖蒲、秋の紅葉など一年を通して季節の移り変わりを楽しめます。とくにアジサイの咲き時期は明月院ブルーと呼ばれる澄んだ青色のアジサイが境内を彩り、訪れる人々を魅了します。
数寄屋づくりの茶屋「月笑軒」は、総門から左手に進んだ先、趣のある木戸の向こうにたたずみます。「月笑」には月を愛でるという意味があり、以前は境内にあった建物の名前を復活させ、茶屋にしたのだそう。手入れが行き届いた庭は苔がむし、水琴窟に耳を寄せると神秘的な音色が聞こえてきます。
杮葺(こけらふき)という昔ながらの手法で屋根を葺いた茶屋は静かで落ち着きがあり、天井を見上げると何本も太い梁を張りめぐらせた純和風の造りです。その一方で家具は洗練されたヨーロピアンアンティークが並びます。猫脚のイスやアンティークテーブル、アールヌーボーの雰囲気を醸し出すガレのランプが、和の空間に自然と溶け込み、独特の趣を感じさせます。
耳を澄ますと風になびく木々や小鳥のさえずり、小川のせせらぎが静寂を彩り、大切なことを心に語り掛かけてくるかのようです。
庭には緋毛氈を敷いた縁台もあり、庭の緑を眺めて抹茶を一服いただくのもおすすめです。抹茶茶碗は、明月院にちなんだウサギの楽茶碗や季節の花を描いた茶碗など、時期ごとの趣を感じさせます。
抹茶に添えられるのは島根・桂月堂の銘菓「出雲三昧(いずもざんまい)」。求肥と大納言の粒入り羊羹、落雁を重ねた上品な三層からなる上品なお菓子。やさしい味わいにほっとします。
コーヒーや甘酒なども素敵なカップでいただけます。北鎌倉の自然に向き合いながら一人静かに過ごすのも最適ですよ。
「月笑」には月を愛でるという意味があるのだとか。静かな谷戸の名刹で月を眺める様子に発想を飛ばして、ゆったりと過ごしてはいかがでしょうか。
四季折々の自然を楽しめる明月院。本堂の横には丸窓もあり、ここからの眺めは北鎌倉の自然を一幅の絵画のように切り取ったかのように見せてくれます。ぜひ立ち寄って、静かなひとときを過ごしてくださいね。

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