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紫式部ゆかりの「石山寺」で、大河ドラマの世界と平安の恋にときめいて♪

  • 2024年3月24日
  • ことりっぷ


今年の大河ドラマの主人公・紫式部。式部がかつて訪れた「石山寺」には、平安時代、『枕草子』を綴った清少納言や、恋の歌を数多く詠んだ和泉式部らも、こぞって訪れたといいます。感受性豊かな女性文学者たちの心をつかんだ石山寺の魅力をさらに引き出す「光る君へ びわ湖大津 大河ドラマ館」や「源氏物語 恋するもののあはれ展」が催されている今、桜色に染まる境内を訪れてみませんか。
石山寺へは、JR琵琶湖線の石山駅からバスに乗り約10分の石山寺山門前で下車すぐ。桜の季節に訪れるのであれば、京阪石山坂本線の石山寺駅から瀬田川沿いに10分あまり歩き、お花見気分で門前へと向かうのもよさそうです。
東大門からまっすぐに伸びる参道は、春の桜、初夏の青もみじ、秋の紅葉と四季それぞれの彩を見せてくれます。石山寺の歴史は古く、その創建は奈良時代。東大寺の大仏建立にあたり、聖武天皇が黄金の産出を祈願して、僧の良弁(ろうべん)に建てさせたと伝わります。
石段を上がると、目の前に突然現れる大きな岩。気の遠くなるほど長い時間をかけて熱で変化した硅灰石(けいかいせき)という岩で、世界的にも珍しく天然記念物に指定されているそうです。そして、その上には優美な姿を見せる多宝塔。石の山にあるお寺という名前の通り、本堂も巨大な石の上に建てられています。
国宝の本堂に祀られているのは、日本で唯一、天皇の命令によって封印された如意輪観世音菩薩。33年に一度だけご開帳される秘仏です。現在では、西国三十三所観音巡礼の第13番札所として参拝者を迎えていますが、平安貴族らも石山寺に詣で、お堂に籠って夜通し祈願したといわれます。
そのひとりが紫式部です。琵琶湖に映る十五夜の月を見て、月の名所であった明石や須磨を思い起こし、その場にあった経典に書き留めたのが、あの壮大な『源氏物語』のはじまりとも伝えられています。
広い境内には、国宝の多宝塔や、時の天皇が月を愛でた月見亭などが点在します。境内奥に広がる源氏苑の一角には、筆を手にする紫式部像も。
千年の昔から、人々の願いを受けとめてきた石山寺は、さまざまなお守りやおみくじなどが豊富。紫の衣をイメージした「開運おみくじ」を開くと、運勢とともに紫式部の歌が一首現れます。
安産の守り神とされる犬が、おみくじを背負ったかわいらしいデザインのものも。こちらは、吉や凶などの運勢ではなく、仏さまからのメッセージが記されています。内容はお産に限らず、全般的なことがらです。
お参りがすんだら、大河ドラマ「光る君へ」の魅力を体感できる「光る君へ びわ湖大津 大河ドラマ館」へ。参道の風情ある和建築がその会場です。紫式部が実際に訪れた地にあるという特別感が光ります。
まず目をひくのが、ドラマのなかで、主人公のまひろ(紫式部)がまとった鮮やかな色彩の衣装。平安時代の趣が感じられます。壁には、登場人物の紹介や、回を追うごとに複雑になる人間関係のパネルが展示。中心人物をここでしっかり押さえておくと、ドラマを楽しめそうです。
まひろの文学への思いが感じられる小道具の展示も。ほかにも、撮影の裏側にせまるパネルや、キャストやスタッフへのインタビューを交えたここでしか見られない映像、キャストのサイン色紙などを目にすることもできます。
参道には、もうひとつの企画展も。「源氏物語 恋するもののあはれ展」は、『源氏物語』の恋の和歌を現代の感覚に移し替え表現したイラストや、当時の貴族たちの恋愛模様を体験しながら知ることができるスポットです。
長編恋愛小説でもある『源氏物語』。そこから厳選した和歌を「もしこの物語が現代の話だったら」という切り口で描いたイラストと、ちょっと切ない気持ちを託したオリジナル楽曲のコラボ企画は、千年の時を超え読み継がれてきた歌に新たな息吹を吹き込みます。会期の後半には入れ替えも予定されており、繰り返し訪れても楽しめます。
「恋の決め手は、美のセンス」のコーナーでは、恋を彩った 色・香り・花 を体験。『源氏物語』には、光源氏がゆかりの女性たちに装束を選ぶ場面があります。その際に大切なのが色の組み合わせ。平安の色目がずらりと並ぶカラーチャートで、お気に入りのコーディネートを考えてみませんか。また、スマホを使うデジタルおみくじも盛り上がりそうですね。
現代の石山詣はいかがでしたか?
京の都からほどよく離れた石山寺は、紫式部をはじめとする女性文学者にとって、自然が豊かで、観音様もおられる、そんな心をリフレッシュできるパワースポットだったのかもしれません。そこで、静かに物想いにふけり、創造力をフルに働かせて、後世へ読み継がれる作品を生み出したのでしょう。

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