サイト内
ウェブ

ハイカラな街・横浜で愛されて六十余年♪老舗洋菓子店「浜志゛まん」の名物スイーツ

  • 2024年1月4日
  • ことりっぷ


かつて日本有数の繁華街として栄えた横浜の伊勢佐木町商店街に店を構える「浜志゛まん(はまじまん)」。大正時代に和菓子店として創業し、その後は洋菓子店へと転身したこのお店のスイーツ「ボストンクリームパイ」は、ハイカラな街・横浜に根づいたスイーツとして愛され続けています。今回はそんな60年以上の歴史あるハマの銘菓をご紹介します。
大正2年に和菓子の製造販売「市村菓子店」として創業した洋菓子店「浜志゛まん」。明治・大正時代に創業した昔ながらの商店が今も点在する伊勢佐木町商店街にたたずみます。2代目の時に時代の変化に合わせて洋菓子店へと舵をきり、今は3代目の市村聡史さんが引き継ぐ老舗です。
ユニークな屋号は、和菓子を製造していた頃に販売した「濱志゛まん最中」に由来しています。初代の市村倉三さんが考案して売り出した「濱志゛まん最中」が、横浜ではじめての栗入り最中として人気となり、お客さんからはお店そのものを親しみを込めて「濱志゛まん」と呼ばれるようになったことから。それがきかっけで屋号が「浜志゛まん」と改められました。
お店の看板商品「ボストンクリームパイ」が生まれたのは2代目がお店を引き継いだ昭和30年代のはじめです。洋菓子を手掛けていくにあたり、横浜とアメリカを行き来する日本郵船のパティシエを招いて教わったのだそう。まだ洋食がめずらしく大正から昭和初期にかけての豪華客船が航行した時代、客船で腕をふるう料理人の技術はとても高く、「帝国ホテル式」あるいは「日本郵船式」と言われる洋食が高級とされていたのだとか。
「ボストンクリームパイ」はパイではなくスポンジに生クリームとカスタードクリームをサンドしたケーキです。アメリカのボストンにある老舗ホテル「オムニパーカーハウス」で誕生したアメリカではポピュラーなケーキで、パイ皿を使ってスポンジを焼いたことからこの名前になりました。サクランボをシロップに漬けたドレンチェリーを乗せているのは、どうやらこのお店のオリジナルのようです。
発売当時めずらしかった洋菓子はまたたく間に注目を集め、特にホールタイプの大きなケーキは家族の集まりや特別な記念日に重宝されました。時は流れて令和の時代になると一人用サイズの希望が多くなり、「ミニボストン」も発売されるようになりました。
お店の奥の工房は、日本郵船のパティシエから直接教わったという80代のベテランパティシエ・工藤英治さんが切り盛りします。当時の製法を60年以上にわたってかたくなに守り続けるのは、職人気質の工藤さんのなせるわざです。
生クリームとカスタードクリームをスポンジで挟むシンプルなケーキは、素材の良さも味わいに影響します。そのため卵や小麦粉、フルーツなどあらゆる食材の仕入れは、創業時から変わることなく信用のある取引先から仕入れ、質のいい素材だけを使います。
バニラビーンズを贅沢に使ったカスタードクリームとほんのりブランデーの香る生クリームがたっぷりの「ミニボストン」。2種類のクリームさっぱりとした味わいで、甘みのあるスポンジとの相性も抜群。この美味しさをぜひイートインで味わって。
歴史のあるスイーツを味わっていると、見るからに素材のいい材料でつくられていることがわかる他のケーキも気になります。「モンブラン」だけでも2種類あるほか、ふかふかのスポンジの「レモンロール」や「サバラン」、「プリンアラモード」など魅力的なスイーツたちもそれぞれの歴史をショーケースから語りかけてくるかのようです。
そんなお客さんの心を察してか、壁にはケーキを2個選択する「ダブルケーキセット」のポップも。こちらは一つのお皿に2個のケーキが仲良く並びます。ハマの銘菓「ミニボストン」にお気にいりのケーキをもう一つプラスして、ゆったりと味わってくださいね。

あわせて読みたい

キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。

掲載情報の著作権は提供元企業等に帰属します。
Copyright (c) 1996- 2024 Shobunsha Publications All Rights Reserved.