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京都よりみちこみち 六波羅と松原通【後編】

  • 2023年7月18日
  • ことりっぷ


町なかでありながら、下町の風情も感じられる松原通。通りが一番華やぐのは花街の宮川町と交差する辺り。石畳が続く小路は、しっとりとした情緒あふれる花街本来の姿を見ることができます。
さらに西へ向かうと清らかに流れる鴨川。5月から9月にかけては、京の夏の風物詩である納涼床で、東山や鴨川の風景を楽しみながらランチやディナーが味わえますよ。
前編では「冥界へ通った小野 篁ゆかりのミステリーさんぽ」をテーマに、六道まいりで賑わう「六道珍皇寺」や、空也上人ゆかりの寺「六波羅蜜寺」、幽霊子育飴などをご紹介しました。後編では、土地の歴史を感じつつ、ひと休みできるカフェやごはん処をご紹介します。
宮川町に近く、鴨川もすぐそこに見える距離。町の洋食屋さんとして愛されている「グリル富久屋」をご紹介します。
宮川町の芸舞妓さんたちのうちわは、花街の人びとに信頼されている証。若い舞妓さんがおねえさんに連れられてお店に来ることもあるのだとか。
江戸時代には人気のファストフードだったそば。その時代に戻ったかのような活気ある店内では、まず店奥の小さな窓口で注文します。
できあがったそばはアート作品でもある陶器のテーブルでいただきましょう。
姿を保ったままカリカリに揚げられたエノキダケの食感が◎。利尻昆布とカツオ、サバ、ウルメイワシで引いただしに自家製の麺がマッチし、立ち食いとは思えない上品な味わいです。夏には冷たいそばも登場予定。
「FUNATSURU KYOTO KAMOGAWA RESORT(フナツル キョウト カモガワ リゾート)」は、1870(明治3)年創業の料理旅館を前身とし、異彩を放つ5階建ての和風建築は国の登録有形文化財。大正から昭和にかけては当時の文化人が集まるサロンとしての役割もあったそう。5月から9月は鴨川に納涼床が設けられ、歴史ある建築と鴨川の両方が楽しめる最高のロケーションで、朝採れの京野菜や近江牛を使った京フレンチが味わえます。
松原橋から仰ぎ見る夜のFUNATSURUも素敵です。神秘的に輝く建築美はアートのよう。夏の宵は川風に吹かれてロマンチックなひとときがすごせます。
カウンターに8席が並ぶこぢんまりした夜カフェ&バー「coffee & wine Violon(コーヒー アンド ワイン ヴィオロン)」は落ち着いた雰囲気。ヴァイオリンをイメージしたクラシカルな空間です。
ラムネ味のソーダに大輪の薔薇が咲くクリームソーダは、旅好きの店主が東北で出会ったババヘラアイスに発想を得て夜カフェ向きに作り上げた自信作。
また、コーヒーは、スイーツに合うよう、少しずつ風味を変えてハンドドリップで淹れてもらえます。ワインの種類も豊富で、料理とのペアリングも楽しめます。
西木屋町通にひっそりとたたずむ「AWOMB 西木屋町」。長いアプローチを進むと期待も高まります。町家を改装した店内には大きな長テーブルや、一人でも気兼ねなく過ごせるカウンター席があり、照明を落とした静かな空間です。
動物性の素材は一切使わず、旬の野菜や果物で作る具材を自由に組み合わせ、自分でオリジナルの手巻き寿司を仕上げる手織り寿し。シャリに具材をトッピングしてちらし寿司風にアレンジしたり、醤油麹や梅肉、抹茶塩で味変したりと楽しみ方は無限に広がります。
この日の具材は、みずみずしい新たまねぎに軽く火を通したものを中心に13種のおばんざいを美しく盛り付け。汁物はワカメのすり流しに竹の子と菊の花びらが添えてありました(手織り寿しの具材は時期により異なる)。
デザートには、白味噌ロウケーキや甘酒ジェラートをいだだきましょう。
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いかがでしたか?
もっと “よりみち”をしたい方は、大和大路通の1本西の通りを南へ行くと、2~ 3分で「あじき路地」という一角に出ます。築100年以上の町家長屋には、若手作家たちの住居兼工房やショップが並びます。アイスクリーム専門店、町家カフェ、コーヒーショップなどもあり、ほっと一息つくにも絶好のロケーションなので、立ち寄ってみてくださいね。

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