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全室客室露天風呂付のヴィラタイプ♪アジアンリゾートのような温泉宿/天草「五足のくつ」

  • 2023年6月17日
  • ことりっぷ


熊本県南西部に位置する天草市は、江戸時代にキリシタンにより育まれた独特の文化と、世界遺産に登録された「﨑津教会」があることで知られています。この地を訪れたらぜひとも滞在したいのが「石山離宮 五足のくつ」。客室はすべてヴィラタイプで天然温泉の専用露天風呂付き。アジアンリゾートを思わせる1軒宿で、極上のひとときを過ごせますよ。
天草の西海岸、下田温泉に位置する「石山離宮 五足のくつ」は、エメラルドに輝く東シナ海を一望するラグジュアリーな温泉宿。大小120の島々からなる天草地方で最も大きな下島にあり、島とはいえ九州とは橋でつながっているので、車や路線バスで行き来できます。また、天草空港を利用すれば、熊本空港、福岡空港からはわずか20~40分。天草空港からは宿の無料送迎があります。
海沿いのドライブを楽しみ、トンネルを抜けた高台に、ひっそりとある1軒宿。その名は明治40(1907)年、与謝野鉄幹が門弟だった北原白秋らの若き詩人を伴い、5人で天草の神父を訪ねて九州を旅した紀行文「五足の靴」に由来します。
うっそうとした緑の木々に覆われた石段を上ると、「ヴィッラコレジオ」と名づけられたレセプション棟が現れます。ステンドグラスが美しい建物は、16世紀にこの地方にあった宣教師を養成する学校(=コレジオ)をモチーフとしたものだとか。450年以上前にキリスト教伝来とともに西洋文化がもたらされ、南蛮文化が開花した天草ならではのドラマチックな歴史を感じられる場所です。
敷地内にゲストルームはヴィラA・B・Cの合計15棟あり、ヴィラAとBはここでチェックイン。併設するライブラリーには天草に関する雑誌やガイドブック、歴史書などが置かれています。15:00~18:00の夕刻のバータイムにはイタリアのビール「ベローノ」を、朝は8:30~10:00までコーヒーを無料で提供(※セルフサービスにて)。天草の歴史に触れながらゆったりと過ごすのもいいですね。
「ここは、九州でもない、日本でもない、アジアのなか天草なんですよ」と話してくれたのは、オーナーの山崎博文さん。東洋と西洋が入り混じった独特の雰囲気は、温泉旅館ともホテルともことなる、特別な空間であることに気づくはずです。
客室はそれぞれが独立したヴィラタイプで、天然温泉かけ流しの露天風呂付きという贅沢さ。スタンダードタイプのヴィラAは、かつての漁師町を思わせる「OLD天草」を、またバルコニーから東シナ海を一望できるヴィラBは、「NEW天草=未来の天草」がテーマ。客室ごとに設えが異なり、どの部屋を選ぶか迷ってしまいますが、常連さんはお気に入りの部屋が決まっているそうですよ。
ヴィラA・Bからさらに山を登った高台にあるのが、「キリスト教が伝来したころの天草」をテーマにしたヴィラC。静けさと自然に囲まれ、チェックインからチェックアウトまで、完全に独立したエリアで過ごせるため、お忍びで訪れるゲストも多いのだそうです。
温泉宿でありながら、敷地内に大浴場はありません。すべてのお部屋に天然温泉を引いた浴室と露天風呂を備えることで、それぞれのゲストに合ったおもてなしが実現。別荘で過ごすようにくつろげることが魅力です。
敷地内にあるレストラン棟でいただく食事も、完全な個室スタイル。そのうえ、営業時間内であれば何時に訪れてもよく、予約の必要はありません。いつでもできたての料理が提供されます。1泊2食付きの場合、チェックイン時に食事の時間を決めなければならないことが多いのですが、時間に縛られず過ごせるのがいいですね。
夕食は、天草の新鮮な魚介を中心に、熊本や長崎の食材をふんだんに使った会席料理。その季節に最も美味しい食材をシェフ自ら仕入れ、調理しています。お肉中心のコース、野菜をたっぷり食べられるコースもあり、予約時にお好みを選べます。朝食ももちろん、自由な時間に。チェックアウトは正午なので、朝食後もお部屋やライブラリーでゆっくり寛げます。
オプションでリクエストできるのが、「記念日ドーナツ」。地元でいつも行列ができる人気店に依頼して作り、お客さんに合わせ一つひとつチョコレートアートで仕上げるというもの。誕生日や結婚祝いなど、大切な日の滞在記念にリクエストしてみてはいかがでしょうか。
ぜひ楽しんでみたいのが、朝の散策。敷地内には遊歩道が巡らされ、木製の橋や石階段、展望台も。宿名の由来となり、5人の若き詩人たちが歩いた道「五足の靴文学遊歩道」をたどると、木々の間から海が見える展望スポットに出ます。
また、レセプション棟内のショップには、天草の手仕事を紹介するグッズが並びます。女性作家が作る天草ボタンや天草更紗、縁起物の人形「イカ恵比寿さん」など、ほかでは手に入らないものばかり。これらを求めて、わざわざショップを訪れる人もいるそうですよ。
海からそよぐ心地よい風と、静寂に包まれた隠れ家のような場所で、温泉を満喫する天草の旅。決して便利な場所ではありませんが、はるばる訪れるからこそ味わえる雰囲気に魅せられ、リピーターになってしまう人が多いというのもうなずけます。
チェックアウト後は、宿の敷地のすぐそばを走る「天草西海岸サンセットライン」へ。ここは天草の最西端にあたり、紺碧の海とどこまでも続く水平線に時間を忘れて見とれてしまいます。「長崎と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」として、世界遺産に登録されている「﨑津教会」がある集落までは、車で約20分。キリスト教の伝来と南蛮文化によって天草の地で紡がれた歴史をたどり、旅を終えてみてはいかがでしょうか。

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