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京都・西陣の老舗昆布店「五辻の昆布」が手がける新店で、昆布が主役のラーメンを

  • 2023年5月23日
  • ことりっぷ


京料理をはじめ、おばんざい、麺、丼など、京都グルメに欠かせない「だし」。そんなだしの要となる昆布を販売し、京都のだし文化を支えてきた創業120年の老舗昆布店「五辻の昆布」が2023年4月、店舗2階にラーメン処「昆布と麺 喜一」をオープン。昆布の水だし3種の試飲や、昆布らぁめん、昆布の佃煮をのせたミニおむすびが味わえるほか、昆布削りのパフォーマンスも! 昆布の奥深い魅力にふれられます。
市バス千本今出川から徒歩5分。北野天満宮へと続く五辻通と、千本通とが交わる場所に建つビルを目指します。1階がバラエティ豊かな昆布を販売する「五辻の昆布」、2階が「昆布と麺 喜一」(11時、12時、13時からの3部制、要事前予約)です。
6mにおよぶトチノキの一枚板のカウンターとまるいフォルムの木製椅子を据えた店内は、主役である昆布を引き立たせるためあえて彩度を下げ、モルタルの壁にエアコンやスピーカーを埋め込んでシンプルな空間に仕上げています。
カウンターに立つのは五辻の昆布の5代目、久世章斗さん。「お客さんとの対話を大切に」という祖父・喜一さんの教えを胸に、昆布の価値を再認識してもらいたいとこのお店をオープンさせました。店名の「喜一」は祖父の名前であり、昆布一筋との想いも込めているそう。
席につくと、最初に昆布らぁめんのだしに使用する利尻昆布、真昆布、羅臼昆布の3種の昆布の原形を見ながらそれぞれの産地や特徴について説明してもらえます。つづいて、不純物のない澄んだ軟水にそれぞれの昆布を浸してうまみを抽出した「水だし」3種の試飲を。利尻昆布は上品であっさり、真昆布は甘みとうまみが強く、羅臼昆布はだしがよく出てわかりやすい味わい。香りや味わいがより感じられるワイングラスを片手に、優雅な試飲タイムが楽しめます。
つづいて、久世さんが「とろろ昆布は機械で削るもの。おぼろ昆布は手で削るものなんですよ」と解説しながらおぼろ昆布削りを披露してくれます。お酢に2、3分浸した真昆布の片側を特注の真鍮製の柱で固定し、シャッシャッとリズミカルな音をたてて削っていくと、昆布の表面にふわふわと白いおぼろ昆布があふれだします。削りたてのおぼろ昆布をひとつまみ口に入れると、豊かな香りをともなってふわりと溶けていきます。
麺は、北海道産小麦「春よ恋」を中心とした全粒粉の自家製麺。スープは、3種の昆布のほか、ウルメ、サバ、枕崎産カツオ節、スルメ、木の実、さらに後味がスーッと消えるようにと日本茶の茶葉も合わせ、昆布特有のぬめりやえぐみがでないよう火をかけずにだしをとっています。シャキシャキの九条ネギ、ジューシーなお揚げの炙り、だしと塩に漬け低温調理でしっとりと仕上げた国産若鶏ムネ肉のチャーシュー、だしで炊いたサクサクのタケノコなど、和素材が中心のトッピングも味わい深いものばかりです。
麺を食べたあとは、「追いおぼろ」で味変を。おぼろ昆布のうまみが増したスープが楽しめます。〆には昆布だしで炊いたごはんに、1階で販売している昆布の佃煮を日替わりでのせたひと口サイズのミニおむすびも付いています。
昆布らぁめんの1152円には、語呂合わせで「いい昆布」と読める遊び心が。2023年6月1日からはワンコンブ制となり、らぁめんの代金に加えて1階の店舗で一品以上の購入が必要です。久世さんのイチオシは、「ぽて昆」。カリッと揚げたじゃがいもスティックに昆布茶と山椒をまぶしたユニークなひと品で、おやつはもちろん、おつまみにもぴったりです。
縁の下の力持ち的存在の昆布にスポットライトを当てた昆布の専門店で、昆布の魅力とうまみを存分に体感してみてくださいね。

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