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干支にちなんだ祝い菓子も!京都の金平糖専門店「祇園 緑寿庵清水」

  • 2021年1月5日
  • ことりっぷ


今から約470年前、ポルトガルから伝わった金平糖。イガのある不思議な形をしたこの南蛮菓子は、当時砂糖が手に入らないこともあり珍重され、上流階級しか口にすることができませんでした。そして、今も皇室の引出物に使われる特別な祝い菓子です。江戸時代から、金平糖だけを作り続ける日本で唯一の専門店、京都にある「祇園 緑寿庵清水」を訪ねてみましょう。
「祇園 緑寿庵清水」は京阪電車「祇園四条駅」から約5分。八坂神社へ向かって東に行くと、ひときわ賑わう通りが祇園の中心・花見小路通です。石畳の風情あふれる通りを南へ一筋入り、すぐに右へ折れると、目印の白いのれんが見えてきます。
祇園店は、1847年創業の緑寿庵清水の支店として一昨年にオープンしました。
ゆったりとした店内の右側には、気軽に買える色とりどりの金平糖がずらり。また、左側には、再来年までの予約が入る人気の「究極の金平糖」や、お祝い事に贈られるボンボニエールに入った金平糖が並んでいます。
また、映像で職人さんの姿も紹介されています。しばらく見ていると、不思議なことに気がつきました。BGMがある訳でもなく、職人さんが語るのでもなく、聞こえるのは金平糖が釜の中で流れる「ザザーッツ」という音だけ。
「職人たちはレシピを持たず、そのときの天候や素材を考慮して、最高の金平糖ができるよう作り方を調整します。この音を通して、金平糖の状態を確認しているんです。年間約60種を本店の工房ですべて手作りしていますが、その理由は、職人が五感を駆使し様子を見極めながら、金平糖を育て上げるためです。金平糖の声が聞けなくなると、お客様に美味しいものをお届けできません。まして、この技術の体得には20年かかります。」とお店の方は語ります。
新春の華やいだ雰囲気が感じられる1月の限定品は「梅あられの金平糖」。玉あられが中に入り、梅のまろやかな風味が口いっぱいに広がります。
素材そのものの味わいが感じられるバラエティー豊かな緑寿庵清水の金平糖は、先代である四代目が考案。当時は、果物など砂糖以外の素材を加えると結晶しないとされ、何度も試行錯誤が繰り返されました。今でも、新製品の開発には2年以上が費やされています。
こちらは、祇園店限定で1月5日から12年に1度だけ販売される丑年の「招福」。
シンプルな砂糖味で、紅白のはんなりとした色合いは、それだけでも十分おめでたいのですが、緑寿庵清水の金平糖が祝い菓子として使われる理由が別にあります。
職人は、1種類につき16~20日もの時間をかけて、金平糖を星形に育てます。このことが、愛情を注いで家庭を築き上げていくことにたとえられ、引出物に使われるようになったのだとか。
京都のおみやげとしてだけでなく、大切な人への贈りものとしても喜ばれる金平糖ですが、お店の方が面白いことを話してくれました。「リピーターさんからよく聞くのが、自分の分を買うのを忘れたということ。人に贈ってばかりでご自身の口には入らなかった……という方が多いです」。
京都の風物がデザインされたパッケージに2種の金平糖が入っている詰め合わせは、お値段もお手ごろです。ハードワークが続いたときの糖分補給にもぴったり。ちなみに、緑寿庵清水の金平糖は噛んでいただく方が、風味と食感を楽しめます。
さて、だれにでも自信を持って贈れる緑寿庵清水の金平糖ですが、その際にはぜひメッセージを添えたいもの。そんなときのために、金平糖柄の便箋や封筒も用意されていますよ。
ほぼ砂糖だけでできている素朴なお菓子なのに、初めて知ることばかりで興味はつきません。東京の銀座にも支店はありますが、京都とは商品のラインナップが異なり、わざわざ旅行や出張ついでに立ち寄る方もおられるそうです。
「食べごたえ」があり、きちんと「素材の味」が楽しめる「祇園 緑寿庵清水」の金平糖、八坂神社の初詣帰りに、訪れてみてはいかがでしょうか。

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