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24時間営業の無人直売小屋? 北海道野菜に焼き菓子、雑貨もアリ。

  • 2023年7月25日
  • コロカル
小屋のウッドデッキに惹かれるワケは?

屈斜路湖畔の〈SOMOKUYA〉。道民ならきっと誰もが知っている、すてきなカヌーガイド&雑貨屋。

営んでいるのは、土田祐也・春恵夫妻である。

道道52号(屈斜路摩周湖畔線)沿い。屈斜路湖までは、歩いて1分とかからない。

道道52号(屈斜路摩周湖畔線)沿い。屈斜路湖までは、歩いて1分とかからない。

道道52号(屈斜路摩周湖畔線)沿い。屈斜路湖までは、歩いて1分とかからない。

道道52号(屈斜路摩周湖畔線)沿い。屈斜路湖までは、歩いて1分とかからない。

 

2年前、私が弟子屈町に移住してから初めて〈SOMOKUYA〉を訪ねたとき(移住前に何度も来ていた)、店先にある、建設中の小屋のウッドデッキでおしゃべりをして、この小屋は、祐也さんがコツコツ手づくりしていると聞いて、「さすが北海道!」とうれしくなったことを、よーく覚えている。

〈SOMOKUYA〉に立ち寄ると、ウッドデッキでのんびり雑談。小屋には薪ストーブがついていて、屋根裏部屋もある。

〈SOMOKUYA〉に立ち寄ると、ウッドデッキでのんびり雑談。小屋には薪ストーブがついていて、屋根裏部屋もある。

〈SOMOKUYA〉に立ち寄ると、ウッドデッキでのんびり雑談。小屋には薪ストーブがついていて、屋根裏部屋もある。

〈SOMOKUYA〉に立ち寄ると、ウッドデッキでのんびり雑談。小屋には薪ストーブがついていて、屋根裏部屋もある。

 

北海道の人はDIY精神に溢れている。「なかったら(買うのではなく)つくればいい」という考え方が大好きだ。

廃材を集めてつくられた、なんとも愛着がわく小屋。「ここで、東京のあんな店やあんな人のPOP-UPストアをしたら楽しいだろうなぁ」と、次々とイメージが湧いたことも覚えている(まだ実現できていないけど……いつか必ず!)。

そしてこの小屋が昨年から、なんだかいい働きをしている。

入り口に掲げられているのは、〈ミナソコマーケット〉と書かれた看板。並んでいるのは、ピチピチの野菜、コーヒー、焼き菓子、刺し子の小物、etc.

それぞれの商品の横にはBOXが置かれていて、代金を入れるようになっている。そう、ここは無人直売所なのだ。

小屋に取り付けられた看板も、もちろん手づくり。

小屋に取り付けられた看板も、もちろん手づくり。

とびきりおいしい北海道の夏野菜、しかも採れたて!

〈大森農園〉の野菜、〈てこっこ〉のふきん、土田春恵さんによるどんぐり帽子、等々。

〈大森農園〉の野菜、〈てこっこ〉のふきん、土田春恵さんによるどんぐり帽子、等々。

〈大森農園〉の野菜、〈てこっこ〉のふきん、土田春恵さんによるどんぐり帽子、等々。

〈大森農園〉の野菜、〈てこっこ〉のふきん、土田春恵さんによるどんぐり帽子、等々。

〈大森農園〉の野菜、〈てこっこ〉のふきん、土田春恵さんによるどんぐり帽子、等々。

〈大森農園〉の野菜、〈てこっこ〉のふきん、土田春恵さんによるどんぐり帽子、等々。

 

ピチピチの野菜を運んでくるのは、ご近所〈大森農園〉の大森圭美さん、3児の母。

この日の収穫物は、数種のミニトマト、ピーマン、甘長とうがらし、ケール。〈大森農園〉は弟子屈町の名産品を育てるメロン農家でもあるので、「めろんこ(摘果されたメロン)」が、「あげます」と書かれた札と一緒に並んでいる。

春恵さんは、「運ばれる間に色づくのではなく、真っ赤になってから収穫されたトマトは、別物。大森さんのトマトを一度食べたら、もうほかでは買えない。本当においしくて、毎日食べてます!」と絶賛する。

取材した日は売れ行きがよくて、夕方に本日2度目の配達に来てくれた。

取材した日は売れ行きがよくて、夕方に本日2度目の配達に来てくれた。

取材した日は売れ行きがよくて、夕方に本日2度目の配達に来てくれた。

取材した日は売れ行きがよくて、夕方に本日2度目の配達に来てくれた。

取材した日は売れ行きがよくて、夕方に本日2度目の配達に来てくれた。

取材した日は売れ行きがよくて、夕方に本日2度目の配達に来てくれた。

 

〈SOMOKUYA〉と〈大森農園〉は車でほんの7〜8分の距離。正真正銘の採れたて野菜だ。

大森さんは、「子どもと同じで、毎日きちんと様子を見て、できるだけ手をかけて、大切に育てています。これからは、とうもろこしやさつまいもなど、ラインナップも少しずつ増えて、冬のほうれん草まで続きます」と、ピチピチ野菜をていねいに並べながら教えてくれた。

〈SOMOKUYA〉のカヌーガイド受付兼雑貨屋である店舗(母屋?)。

〈SOMOKUYA〉のカヌーガイド受付兼雑貨屋である店舗(母屋?)。

〈SOMOKUYA〉のカヌーガイド受付兼雑貨屋である店舗(母屋?)。

〈SOMOKUYA〉のカヌーガイド受付兼雑貨屋である店舗(母屋?)。

 

〈SOMOKUYA〉は、カヌーガイドの受け付けをする店舗内に、オリジナルのTシャツやエコバッグ、お気に入りの作家による商品など、春恵さん曰く「基本的に全部、私が好きなもの。あとは自分でつくったもの」が並んでいる。

「本当は、直接お会いしてお買い物してもらいたいんですけど、カヌーの送迎もあったりして、ほんの10分だけど留守にしてしまうことも多い。そんなときに限ってお客さんがいらっしゃることもあったりして……」

であれば、店主不在のときでも買い物できる場所をつくろう。そうすれば遠くから訪ねてきてくれた人も、少しは楽しめるかもしれない。

そんな思いから、昨年の夏に始めた〈ミナソコマーケット〉だが、「無人のほうが気軽で買い物しやすいね」なんて声もあったり、早朝に店の前を通り過ぎるハイカーたちの御用達になったり、思いのほか、人気なのである。

人手不足解消のために思いついた策が、素敵な展開に

ウッドデッキに置かれたガラスケースに、商品と代金を入れる料金箱が。

ウッドデッキに置かれたガラスケースに、商品と代金を入れる料金箱が。

ウッドデッキに置かれたガラスケースに、商品と代金を入れる料金箱が。

ウッドデッキに置かれたガラスケースに、商品と代金を入れる料金箱が。

 

とはいえ、24時間屋外営業。

「昨年は、11月下旬で一旦終了。冬になっても販売する野菜はあったんですけど、外に出していると凍るようになってしまって……」と春恵さんは苦笑い。

「今年はGWから、まずはコーヒーや焼き菓子だけでスタートしたんですけど、パウンドケーキを出した瞬間にカラスに食べられてしまって、その翌日から毎朝カラスが狙っている……。仕方がないので、ガラスケースを置いて、そこに入れることにしました」と、苦労もいろいろある。

気になる会計はというと、こちらはほとんど問題はなく、逆に多いこともあるそうで……。

「この間は1円玉が余計に何枚か入っていて、『これはお賽銭?』なんて笑ったこともありました。料金箱からも、いろんな物語が生まれますよ」

道路沿いに看板を出したら、近所の人たちも覗くようになった。

道路沿いに看板を出したら、近所の人たちも覗くようになった。

7月からは野菜を置くようになった。

「最初にいらしてくださったのが、〈大森農園〉のSNSを見ている方で、『朝早くから子育てもしつつ頑張っている姿を見て、応援したくて』って言ってくれて、とてもうれしかったです」と、春恵さん。

地元の人にも「近くでおいしい野菜が買えるね」と喜んでもらったり、SNSには縁がない世代も看板を見て「なんかあるのかい?」と声をかけてくれたり、少〜しずつではあるけれど、お客さんが広がっていることを実感している。

〈ミナソコマーケット〉の名前には、ふたつの意味がある。

〈ミナソコマーケット〉の名前には、ふたつの意味がある。

「マーケットと名づけたからには、もっといろんな商品を並べたい。量り売りもやりたいですね」と、夢を膨らませる春恵さん。

そもそも〈ミナソコマーケット〉の名前は、「ここ屈斜路湖は夏の間、朝は雲海の下にあることが多くて『私たちが水底に漂う早朝から買い物ができる場所をつくりたい』。そんな想いが込められているんです」

そしてその延長に、「みんながそこに集まれて、みんなの笑顔がそこにある。そんな場所になりますように」という願いもあるのだ。

北海道の夏は短いけれど、そのほんの数十日間は、日が長くて、とても爽やかで、野菜が本当においしい。

北海道の夏は短いけれど、そのほんの数十日間は、日が長くて、とても爽やかで、野菜が本当においしい。

〈SOMOKUYA〉の店先にある、手づくりの小屋。ここには縁側ならぬウッドデッキがあって、どこからともなくいろんな人が集まってきて、湖畔の風を感じながら、各々が、なんだか心地いいなぁ、と感じている。

そんな場所が生まれようとしている弟子屈町って、とてもすてきだなぁ、と思った。

information

ミナソコマーケット(SOMOKUYA内)

住所:北海道川上郡弟子屈町屈斜路198-4

TEL:015-484-3765

営業時間:24時間(11月末頃まで)

Web:SOMOKUYA

Instagram:@somokuya

※ミナソコマーケットの営業内容は、Instagram(@somokuya)にて発信。

writer profile

Chigusa Ide

井出千種

いで・ちぐさ●弟子屈町地域おこし協力隊。神奈川県出身。女性ファッション誌の編集歴、約30年。2018年に念願の北海道移住を実現。帯広市の印刷会社で雑誌編集を経験したのち、2021年に弟子屈町へ。現在は、アカエゾマツの森に囲まれた〈川湯ビジターセンター〉に勤務しながら、森の恵みを追究中。

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