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城崎温泉で若手旅館経営者と著名な建築家がタッグ。トークショー付き宿泊プランも

  • 2023年7月10日
  • コロカル
出版レーベルNPO法人〈本と温泉〉が主催。“建築家と温泉文化”“城崎温泉”を考える2日間

開湯1300年を誇り、関西屈指の温泉街として知られる城崎温泉。2023年7月30日(日)、7月31日(月)に「建築と温泉」と名づけたイベントを開催します。

近年、城崎温泉では、若手の旅館経営者と著名な建築家がタッグを組んだ個性的な温泉宿が増えてきました。「まち全体がひとつの旅館」という従来より城崎温泉にあった“みたて”を軸に、建築家と共に古き良き温泉文化を更新しています。

「建築と温泉」では、建築家を交えたトークショーや、温泉宿をはじめとする城崎周辺にある建築にあらためて触れることで“建築家と温泉文化”、“城崎温泉”を考えます。

主催するのは、出版レーベルNPO法人〈本と温泉〉です。短編小説『城崎にて』を書いた志賀直哉の来湯100年となった2013年に城崎温泉旅館経営研究会によって立ち上げられました。

これまで「本と温泉」では城崎温泉だけで買える出版物を発行するなどの活動を行なってきました。今年が10周年であることを記念して「建築と温泉」が企画されました。このイベントの内容も、冊子形式の『建築と温泉』として2023年末に発行される予定です。

8組の建築家によるトークショー。

『建築と温泉』のメインイベントは8組の建築家が登壇するトークショーです。7月31日(月)13時にスタートするイベントでは城崎温泉の個性的な宿を手掛けた著名建築家が会場に勢揃いします。トークショーは、対象となる8つの宿の限定宿泊プランとセットになっています。

トークイベントに参加するのは8組の建築家です。顔ぶれは魚谷繁礼氏、垣田博之氏 、小林恭氏・マナ氏(IMA) 、笹岡周平氏(わさび)、二俣公一氏(ケースリアル)、堀部安嗣氏、松井亮氏、吉田愛氏(サポーズ・デザイン・オフィス)。それぞれ城崎温泉の温泉宿を手がけました。

魚谷繁礼氏が手がけた旅館〈つばき乃〉の玄関とフロント。大きな窓と吹き抜けを設けました。

魚谷繁礼氏が手がけた旅館〈つばき乃〉の玄関とフロント。大きな窓と吹き抜けを設けました。

魚谷繁礼氏は100年以上も前に建てられた〈つばき乃〉の建物に、その雰囲気やパワーを崩さず、現代のモダンなニュアンスや遊び心を加えました。

垣田博之氏が手がけた〈UTSUROI TSUCHIYA ANNEX〉は元消防署。カフェが併設されています。

垣田博之氏が手がけた〈UTSUROI TSUCHIYA ANNEX〉は元消防署。カフェが併設されています。

築47年の消防署が元となっている異色の宿〈つちや〉は、外国人観光客がターゲット。垣田博之氏が新たな輝きをもたせた空間に生まれ変わらせました。

〈こぢんまり〉では、IMAの小林恭氏とマナ氏が手がけたうち、1部屋には大きな窓にソファーベンチが設置され、城崎温泉街の景色をのぞめます。

〈こぢんまり〉では、IMAの小林恭氏とマナ氏が手がけたうち、1部屋には大きな窓にソファーベンチが設置され、城崎温泉街の景色をのぞめます。

小林恭氏とマナ氏は、城崎で一番小さな宿をうたう〈こぢんまり〉で、ふたつある客室をリニューアルしました。また、お土産物屋のスペースも小林恭氏、マナ氏によるものです。

笹岡周平氏は〈錦水〉の一室を〈tupera tupera〉の絵本『城崎ユノマトペ』の世界が感じられる部屋に。

笹岡周平氏は〈錦水〉の一室を〈tupera tupera〉の絵本『城崎ユノマトペ』の世界が感じられる部屋に。

笹岡周平氏は〈錦水〉で、本と温泉の出版プロジェクトのひとつ「城崎ユノマトぺ」をつくったアートユニット〈tupera tupera〉とファミリー向けの客室を手がけています。

〈三木屋〉の皇族を迎えたこともある「特別室22号室」は、2022年二俣公一氏によってリニューアル。

〈三木屋〉の皇族を迎えたこともある「特別室22号室」は、2022年二俣公一氏によってリニューアル。

〈三木屋〉では、皇族を迎えたこともあるインペリアルスイートの「特別室22号室」を二俣公一氏がリニューアル。ミニマルなデザインで、三木屋が考えるこれまでとこれからを表現しています。

〈泉翠〉では、堀部安嗣氏は城崎だからこそ、そして泉翠だからこそあるべき建築をと設計を行いました。

〈泉翠〉では、堀部安嗣氏は城崎だからこそ、そして泉翠だからこそあるべき建築をと設計を行いました。

堀部安嗣氏は、〈泉翠〉で3つの客室のほか、レストラン、フロント、図書室などのリニューアルを手掛けました。日本の優れた家具作家と家具職人の作品を取り入れています。

〈三國屋〉では松井亮氏が手がけた家族向けの貸し切り風呂から中庭が臨めます。

〈三國屋〉では松井亮氏が手がけた家族向けの貸し切り風呂から中庭が臨めます。

松井亮氏は家族旅行をコンセプトにした〈三國屋〉で、中庭を望む家族向けの貸し切り風呂など、家族水入らずで過ごせる空間を作りました。

サポーズ・デザイン・オフィスが手がけた〈小林屋〉では、随所に印象的な提灯型の照明が使われています。

サポーズ・デザイン・オフィスが手がけた〈小林屋〉では、随所に印象的な提灯型の照明が使われています。

吉田愛氏が共同代表を務めるサポーズ・デザイン・オフィスは、大正14年の北但大震災後に再建された〈小林屋〉を日本の伝統や文化を尊重しつつ、現代的な快適さとデザイン性を兼ね備えたリノベーションを行いました。

7月31日のトークショーでは、ファシリテーターをブックディレクターの幅允孝氏(BACH)がつとめます。8組の建築家たちからは、それぞれの温泉文化や城崎温泉への考えが聞けることでしょう。

建築家が自ら案内する内見ツアーも実施

今回の宿泊プランの利用者は、別料金となるものを含めて、複数のオプションイベントに参加できます。

7月30日には各宿泊先では建築家が案内する内見ツアーが実施され、8件全ての宿を内見することも可能。どちらも宿泊プランに含まれているので参加者たちは建築家たちの城崎温泉やその宿に対する想いに触れてから翌日のトークショーに参加することができます。

31日午前には有料オプションとして、城崎国際アートセンターと豊岡市立玄武洞公園をめぐるガイド付き貸切バスツアーが用意されています。

〈泉翠〉内のレストラン Sikiも連携企画ランチの会場の1つになります。

〈泉翠〉内のレストラン Sikiも連携企画ランチの会場のひとつになります。

またイベントの両日ともに、建築家が携わった5つの建物内で、旬の食材を使った連携企画ランチも有料オプションとして用意されています。

城崎温泉での滞在時間のほとんどを建築にフォーカスして過ごすことが可能です。

歴史ある城崎温泉

歴史ある城崎温泉の今について、建築家の視点を交えることで一層理解を深められる「建築と温泉」建築好きにはたまらないイベントになりそうです。

information

城崎温泉 建築と温泉 7月30日限定【建築と温泉】トークイベント他特典付き宿泊プラン

価格:旅館により異なる

予約サイト:きのさき温泉観光協会公式サイト イベントページ

writer profile

Saori Nozaki

野崎さおり

のざき・さおり●富山県生まれ、転勤族育ち。非正規雇用の会社員などを経てライターになり、人見知りを克服。とにかくよく食べる。趣味の現代アート鑑賞のため各地を旅するうちに、郷土料理好きに。

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