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「新交通管理システム(UTMS)」 詳細解説

読み:
しんこうつうかんりしすてむ
英名:
Universal Traffic Management Systems

現代社会において自動車は最も身近な移動手段のひとつであり、道路は重要なインフラとなっている。その一方で、交通事故から市民を守る安全・安心の確保や、自動車排ガスをはじめとする環境問題の解決が大きな課題となっている。政府は、ITをはじめとする科学技術を利用することにより、人と車両、道路など交通に関するすべてのものを一体としてとらえて高度化を図る、高度道路交通システム(ITS)に関する研究開発を行っている。新交通管理システムは、警察庁が中心となって導入を進めているITSのことで、UTMSと略される。

UTMSのキーインフラとなる装置が光ビーコンだ。道路の上部などに設置されているのをよく見かける光ビーコンは、赤外線などを利用して個々の車両の位置や道路交通に関する情報を送受信する。現在地から進行方向に関する詳細な道路交通情報(VICS情報)を、ドライバーに対してリアルタイムで提供することに加えて、通過車両を感知して交通量の測定を行うことも可能だ。また、高速道路では電波ビーコンが利用されている。

UTMSには、次の種類がある。1) 高度交通管制システム(ITCS)、2) 交通情報提供システム(AMIS)、3) 公共車両優先システム(PTPS)、4) 車両運行管理システム(MOCS)、5) 交通公害低減システム(EPMS)、6) 安全運転支援システム(DSSS)、7) 緊急通報システム(HELP)、8) 歩行者等支援情報通信システム(PICS)、9) 現場急行支援システム(FAST)、10) 動的経路誘導システム(DRGS)、11) 高度画像情報システム(IIIS)。このうち、メーンシステムとなるのがITCSで、サブシステムのうちAMISとHELPは全都道府県で導入されている。

一方、環境に関係が深いサブシステムがEPMSだ。EPMSは、大気や気象の条件を考慮した交通情報の提供や、信号の制御による誘導などを行うことにより、自動車の走行に伴って発生する排気ガスや騒音・振動など公害の低減を図る。また、PTPSはバスなどの公共車両の優先通行を支援し、公共交通機関の利用を促す。さらに、運転者が最短の時間で目的地に到達できるように支援するDRGSも、エコドライブの実践につながる。

このように、UTMSは環境と安全・安心の両面に配慮した交通管理システムとして研究開発が続けられ、各地で導入されている。また、地球温暖化問題への対策としても期待されている。UTMSに関する調査研究や普及活動を行う団体として、(社)新交通管理システム協会がある。

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