企業を環境面から格付けする「環境格付」を理論的にサポートするための、環境パフォーマンス評価の一手法。“Japan Environmental Policy Priorities Index”の頭文字を取り、「JEPIX」と呼ばれる。環境パフォーマンス評価とは、環境に対する組織の活動や実績などを、定性的・定量的に評価する手法のことだ。公平性や透明性が確保され、できるだけ客観的に評価が行われることが望ましい。
従来の環境パフォーマンス評価では、環境影響が重量や面積など多様な尺度、単位で表されている上に、各項目の影響度合いが加味されておらず、比較がしにくかった。JEPIXは、このような課題を解決するために、科学技術振興事業団(JST)と環境経営学会が共同で開発した。JEPIXでは、製造工程などにおける大気汚染や水質汚染の環境影響を、「エコポイント」という単一の尺度で統一的に評価する。このため、さまざまな環境影響を同じ基準で測ることが可能となる。
エコポイントを用いて400以上の環境汚染物質の環境影響を重みづけし、総合的な環境影響度を単一の数値で評価する。具体的には、大気汚染、水質汚染、有害化学物質、土壌汚染、騒音などさまざまな環境影響をもとに、計算式によりエコポイントを算出する。この単一評価システムはスイス環境庁のエコポイント手法を応用したもので、日本の環境省が算定、公表する国内的数値を基礎としている。このため、日本に合った指標となっている。
