飼育中のヒメツチハンミョウの幼虫が産卵から約40日で孵化したので、現場でも見られるかなと行ってみた。ちょうど孵化の真っ最中で、自然状態でも幼虫がたくさん孵化していた。ツチハンミョウの幼虫はハナバチに乗って巣に入り、ハチが集めた花粉などを食べることになっている。けれど肝心の生態は手がかりもつかめなかった。幼虫の近くに来たのはアリの仲間、アリスアブ、アブの仲間が何種かとアリモドキという甲虫だ。
ケースにツチハンミョウの幼虫を少し入れておいたところ、中にやってきたアリモドキに幼虫がしがみついていたというのが唯一の収穫(写真上)。それにしてもアリモドキというのもほとんど生態のわかっていない小さな甲虫だ。トビイロケアリとなにやらコミュニケーションしているように見える場面もあった。アリの巣内に入っている可能性もあると思う。
ツチハンミョウの幼虫は花の上に登ってハチを待つというのが定説だが、ヒメツチハンミョウはいっこうに草を登らなかった。だいたい花がない場所で、咲いていたのはほんの少しのクローバーとムラサキツメクサが数輪。見たハナバチはマルハナバチが1匹だけだった。
実はツチハンミョウの幼虫でハナバチのメスの匂いを出してオスバチを呼び、そのオスバチに飛び乗るツチハンミョウが知られているそうだ。ハチのオスがメスと交尾し、その時にハチのメスに乗り移り、巣に連れて行ってもらうのだという。そこで花粉などを食べて育つのだそうだ。ヒメツチハンミョウもそんなことがないかなと調べて見たくなったのだが、残念ながらハチはやってこなかった。。
アリがたくさんいるのでアリの巣にアリやアリスアブにくっついて入ることはないのだろうかなどと、ばかな想像もしてみたが、それも手がかりがなかった。
今日は他にヨコバイを狩るハチなど計5枚。前へのボタンでどうぞ。
◎今月のデジタルフォト連載自然ワンダーランドは小さな隣人(シジミチョウ)。他に添削教室
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