
ママの後ろにはとんでもない妖怪が!? / 画像提供:紫咲甘藍
小学校の頃から絵を描くことが好きな紫咲甘藍(@hitsuji_kanran)さんは、X(旧Twitter) を中心に漫画を公開している。2024年1月には短編ホラー「怪逅」を投稿。女子生徒から3つの怖い話が語られ、どれもとんでもない妖怪の登場と想定外な展開にゾッとしてしまう。本作が誕生した理由や裏話などについて、紫咲甘藍(@hitsuji_kanran)さんにインタビューした。
■日常のすぐ隣に潜む“ナニカ”が見えてしまったらあなたはどうする?
「怪逅」01 / 画像提供:紫咲甘藍
放課後に怪談話を話そうとする女子生徒たち 02 / 画像提供:紫咲甘藍
03 / 画像提供:紫咲甘藍
この作品は、「とにかく自分の好きなようにホラー漫画を描こう」というシンプルな思いから始まったという。紫咲さんがこだわったのは、いかにもな心霊スポットや儀式のような恐怖ではなく、“日常のすぐそばにあるかもしれない恐怖”だった。「普通の生活を送っている中で、ふとした瞬間に出くわすような怪異。それが私にとって一番ゾクッとするんです」と語る。
3つの怪談のうち、どれが一番お気に入りか尋ねると、「全部に“好き”を詰め込んだから、まるごと一作が一番のお気に入り」と笑う紫咲さん。
箱に関するエピソードは読者の間でも「怖すぎる」と話題になったが、箱の中身が人に“入り込む”という描写のその後について尋ねると、「あれは家に憑くタイプの存在なので、中身はまた箱に戻っていると思います」と意味深な答えが返ってきた。読者の想像をかき立てる余韻をあえて残しているところも本作の魅力だ。
意外なことに、紫咲さん自身は霊感ゼロだそうで、「怖い体験はしてみたいくらいです」と笑う。しかし、高校時代に通っていた学校では、先生たちから「夜の見回り中にドアがひとりでに開いた」「補習中に知らない声で『先生』と呼ばれた」といった体験談を耳にしたという。
紫咲さんは「この漫画を読んでくださった方が、“ナニカ”って意外と近くにいるものかも、と思ってもらえたらうれしいです。たとえば古いトンネルの先、昔よく遊んだ公園…あるいは、今あなたの隣にいるかもしれません」と意味深に語る。
身近に潜む“異界”を描いた紫咲さんの作品。その余韻と、ぞくりとする読後感を、ぜひ味わってみてほしい。
取材協力:紫咲甘藍(@hitsuji_kanran)
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