
2019年から「働き方改革」に関連する法律が順次施行され、社会では働きやすい環境を作り、生産性を向上させるべく、時間外労働を是正する取り組みが行われている。例えば、これまで制限がなかった残業時間に、上限が定められるようになった。しかし、厳しく取り締まるようになったものの「残業が全然減らない」と叫ぶ者も多い。
そんな現代で社会問題となっている、残業。あおいし(@ao144444)さんも、その問題に直面する一人だ。自身の残業との闘いを、ねこを主人公にして描いた「残業続きのねこが転職するまでの120日間の記録」の漫画を、あおいしさんへのインタビューを交えてご紹介していく。退職を阻止されて失意の底、しかし、心を決めて「退職届」を再び提出する――。
――具体的に退職を阻止する上司を説得するために、どのような準備をしていたのですか?
「誰にも相談できる状況ではなったので、まずはネットで『退職の引き止めにあったとき』というそのままのキーワードで検索し、対策方法を調べていました。調べた方法から、会社の就業規則を改めて読み直し、退職時期の規定を満たしているということを確認。強い引き止めがあった場合は違法になるので、その旨を人事に報告しようと思っていました。あとは引継ぎを少しでもスムーズに行えるように、マニュアル作りなどを早め早めに準備しましたね」
――有給を消化できると聞いたときの率直なお気持ちは?
「とにかく早く辞めたいという気持ちが強かったので、予定通り辞められるなら有給休暇は取れなくてもいい、と思い諦めていました。なので上司から『有給を消化できる』と言われたときは、思いもよらず本当にうれしかったです」
――このエピソードであおいしさんが伝えたいことは?
「悩みに悩んで『辞める』と決意しても、上司から強い引き止めがあると、そこで挫けそうになってしまうと思います。実際に私は、辞めることを諦めかけました。でも、そこで我慢してしまうと、せっかくの決意や努力が水の泡になってしまいます。『ほんの少しの勇気で、現状を変えられる!』ということを伝えたく、このエピソードを描きました」
力強く確かな一歩を踏み出した著者。その先に待つ未来とは――。
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