
昭和を思わせる世界観を舞台に、子供時代の“あるある”を切り取った漫画「しなのんちのいくる」をSNSに投稿している漫画家の仲曽良ハミさん(@nakasorahami)。Instagramのフォロワーは17万人にのぼる。
「しなのんちのいくる」の主な登場人物は、生意気盛りの男の子「いくる」、中学生の姉「しなの」を中心に、その家族や個性豊かな友達たち。どこにでもいるような親しみあふれるキャラクターたちが繰り広げる、思わず「あった!あった!」と言いたくなる日常の1シーンを切り取り、ギャグタッチで描いていく。
今回のテーマは、スポーツの秋、食欲の秋、芸術の秋、恋愛の秋!?秋の訪れを感じさせる5つの作品をご紹介!仲曽良さんにも作品についてコメントをもらった。
■どうやって落とす?「体育館のアレを仕留める!」
小学校の“あるある”で思い出すのが、体育館の天井に引っかかっていたボール。いくるたちもそのボールの存在が気になって仕方がないようで、どうにかボールを落とそうとするが…。子供らしい無邪気なかわいさにあふれた作品。
「全校朝礼のとき、校長先生の無駄に長い話にうんざりしながら天井のボールを眺めていました。『いつかそこから落としてやる!』ってね(笑)」
■子供たちのオアシス!「フードコート」
大型のスーパーマーケットなどでよく見かけたフードコート。いくるとシュウはお金を出し合ってフードコートで料理を注文しようとするが、なかなか1つのメニューに絞りきれない…。最終的に2人が編み出した秘策とは!?
「昭和時代、僕の地域には『ピーコック』がありました。普段は親としか行かないのですが、初めて自分のお小遣いでお好み焼きを食べたときは少し大人になった感じがしましたね!」
■男子たちは気になって仕方がない!「秘密文書」
小学校の授業中に頻繁に行われていた“手紙まわし”。いくるの学校では女子が中心となって手紙をまわしており、男子たちはその中身が気になって仕方がない様子。決死の覚悟でその手紙を奪取したシュウは、ついに禁断の扉を開く!子供たちの純粋さを感じられる作品。
「授業中に女子が回す手紙…あれ、わざと男子を経由して回してるんですかね?こっちは何が書いてあるか気になって、勉強どころじゃなかったですよ(笑)」
■職人のような目つきで…。「道具にはこだわってます!」
いくるは、チラシの裏に絵を描くことに真剣に向き合うため、チラシ選びに熱心に取り組んでいる。やっとの思いでお目当てのチラシを手に取り、意気揚々とお絵描きを始めるが、ここでハプニングが!畳にひっくり返り、落ち込むいくるの姿がなんともかわいい!
「これは完全な実話です。うまく絵が描けるかは、道具にも大きく左右されるんだと知りましたね。おかげで今も漫画を作る道具はしっかりこだわるようにしています」
■遊び疲れたあとのお楽しみ。「晩ご飯は何だ!」
夕方まで遊び、疲れた子供たちにとって1番重要なことといえば晩ご飯。大好物を期待しながら駆け足で帰る途中、よその家の晩ご飯までズバリ当ててしまういくるはさらにテンションを上げて自宅に到着。でも、お母さんが作っていたものは…。
「あの頃はお肉が大好きだったので、お魚とかの日は少しがっかりでしたね。そんな僕も歳を重ねて、今ではお刺身とハイボールが1番のご馳走です!(笑)」
秋らしい気分にさせてくれた今回の作品。次回は、どのような作品で懐かしい気持ちにさせてくれるのか?お楽しみに!
取材・文=橋本未来