
ネタ目的で事故物件に住み、霊的現象を体験しようという人がいる。そのアパートは有名な事故物件だが、霊感がない人間が住んでしまったら?主人公の捉え方ひとつでホラーもギャグになってしまうマルオさんの「事故物件住んでみた(笑)」を紹介する。
本作は、2020年8月号のくらげバンチに掲載された作品。現在、マルオさんはホラー漫画を中心に描いているが「ホラー×笑い」を組み合わせたホラーコメディの本作がデビュー作となった。また、ウォーカープラスでは、怖い話を集めている男の行方がわからなくなった「怖い話を聞かせてください」も紹介。こちらもゾッとする展開に目が離せない。
■霊的現象を全力で前向きに捉えるルポライター
ライター津辺陽が仕事のために住み始めたのは、出るといわれる事故物件。入居した初日から「何かがいる」と感じるほど、怪しい雰囲気のアパートだ。
まずは、試しに津辺が気になる場所を写真に収めると、ばっちり霊が写っている。しかし、津辺にはその霊が視えない。
所属する出版社の編集長に送ったところ「視えている」らしいが、津辺は不吉な予兆を捉えて怯えるだけ。視えないせいで、ネタにならないと住み続けることを続行。
霊的現象は増え、津辺の身辺によくないことばかり起こるようになった。災難続きの津辺。その周囲を、霊がウヨウヨ取り囲んでいる。
その後、最大級の不幸が津辺を襲う。本作は、タイトルの末尾につく「(笑)」がポイント。ホラーコメディを描いたきっかけを作者のマルオさんに伺うと、「本作の少し前にTwitterで投稿した漫画が「くらツイ漫画賞」のテーマ部門で受賞したのですが、その時の内容がホラーをテーマにしたギャグ漫画で思いのほかウケが良かったので、次に本作を描く際も同じノリで描いてみようと考え、このような漫画になりました」と言う。
津辺のホラー要素をポジティブに捉える姿が笑いを誘い、「ルポライターシリーズで連載してほしい」などのコメントもあるが、「津辺がさまざまな事故物件を渡り歩く話を考えてはいましたが、結局、描くまでには至りませんでした。革新的なネタが浮かんだら、続きを描くかもしれません」と、マルオさん。本人だけが気付かないという、まさかのパターン。新しいホラーコメディ「津辺の身に降りかかる怪奇現象にご注目ください」(マルオさん)
取材協力:マルオ(@f90c89d79366434)