
舞台「鬼滅の刃」の竈門炭治郎役や「僕のヒーローアカデミア」The “Ultra” Stageの爆豪勝己役など、人気作品に多数出演している俳優の小林亮太が都内近郊のグルメバーガー店をナビゲート。食レポはもちろん、ハンバーガー好きの目線で取材したおいしさの秘密をお届けする。
東京・北千住に店を構える「BOSSA BURGER(ボッサバーガー)」のシグネチャーメニュー「ボッサバーガー」(1870円)を紹介。
■北千住のおいしさが詰まった“イケてる”バーガー
路地裏にある物件をリノベーションして2017年8月にオープンした「ボッサバーガー」は、地域密着型の飲食チェーン会社が手がけるグルメバーガー店。2005年に開業したカフェ「わかば堂」を筆頭に、7店舗を北千住に展開する「明珠」の代表・島川一樹さんが名付けた「ボッサバーガー」という店名の由来を、3代目店長の菊池航(わたる)さんが教えてくれた。
「1950年代にブラジルで流行った“ボッサ”という俗語には、革新的や独自のものという意味があります。今の言葉で言えば“イケてる”というようなニュアンス。つまり、“イケてる”バーガー店ということです」(菊池さん)
そんな店名を冠した「ボッサバーガー」は、まさに同店が自信を持っておすすめする“イケてるバーガー”だが、まずは基本のバーガーの各パーツについて紹介したい。
主役は、千駄木の石塚ハムに特注しているひき肉で作った、重すぎないのに肉肉しくジューシーなパティ。国産牛とオーストラリアビーフの肩ロースをハーフアンドハーフで、超粗挽きにしている。重さは120グラムと、食べ応えのあるボリュームだ。
「ボッサバーガーさんのパティは、スパイスのような特徴的な味がするんですよね」と小林が疑問を口にしていた隠し味は、鉄板の上で塩コショウと共にパティに振るセロリパウダーとガーリックパウダー。セロリパウダーは肉の匂い消しに、ガーリックパウダーはパンチのある味わいにひと役買っている。
全体のバランスを考えて薄めにカットしているというトマトとグリルドオニオンは、レタスなどの野菜と共に、北千住の老舗・石鍋青果店から仕入れているものだ。
しっかりとした甘みが特徴のバンズも、北千住で作られている。惣菜パンに強いお店ということから、「ミサキベーカリー」にオリジナルのレシピでオーダー。甘さ強め、バターを使ってふんわりと焼き上げたこだわりバンズのクラウン(上のバンズ)にはマヨネーズ、ヒール(下のバンズ)にはバターを塗って、具材をサンドする。
「地域に助けられて5年目を迎えました」と菊池さんが語るほど、下町の縁と味が上から下まで詰まったバーガーに仕上がっている。
■おすすめの食べ方は「ぎゅっと潰してかぶりついて!」
そんなバーガーをベースに、チェダーチーズ、エッグ、ベーコン、パイナップル、そしてグリルドオニオンの代わりにオニオンリング2個をサンドした、大ボリュームなバーガーが「ボッサバーガー」だ。
トッピング増し増しでしっかりとした高さがあるバーガーを前に、「前に食べた時はオニオンリングをひとつ外して食べたんですけど、どうやって食べるのが正解なんだろう?と思っていたんです」と小林。
菊池さんが「オニオンリングを外してもいいのですが…ぎゅっと潰して、ガブっといってほしいです(笑)」と答えると、普段は潰さないで食べる派の小林は「罪悪感があるけど、それを聞いたらそうやって食べるほかないですよね」と、戸惑いながらもおすすめの食べ方を実践することに。というわけで、いよいよ実食!
小林はそびえ立つ「ボッサバーガー」を前に「とんでもない高さ(笑)。こんなにいろいろな具材がサンドされていると、食べたことがない人にはきっと味の想像がつかないですよね」と、そのおいしさを解説してくれた。
「まず、スパイスが効いている超粗挽きパティのごろっとした食感が、ボッサさんのバーガーだなって感じです!それに分厚いベーコンが入っているので、まるでダブルパティのようなしっかりとした肉感があって、卵とチーズ、パインが味の層に深みを与えている感じがします。たまにフライドオニオンのザクザクとした食感がくるのが楽しいな」(小林)
「卵は目玉焼きではなく混ぜて焼いてますよね?でも、スクランブルエッグよりも軽い感じがする」と気づいた小林。エッグはセルクルに卵を割り入れて、オリーブオイルを加えながら混ぜることで、フルフルとした食感を楽しめる仕上がりにしているそうだ。
「ソースなしでも成立するくらいしっかりとしたパティやベーコン、チーズの塩味に、時々パインの甘酸っぱさが現れて味が単調にならないので、こんなに大きいのにぺろりと食べられるんだと思います。ソースで味をまとめなくても、素材同士が引き立てあっているのがすごくいいなって思います。それが『ボッサバーガー』の推しポイントです!」(小林)
■最初の試作から絶品だった「ボッサバーガー」
そんな絶妙なバランスで成り立っている「ボッサバーガー」の誕生には、さぞかし苦労があったのでは?と思い、完成までの裏側について聞いてみると…。
「それが、初代の店長時代に最初の試作で今の具材を入れたところ、味がバチっとハマって。見た目にもインパクトがあるし『これ以外にないね』と、ずっと同じビルド(組み立て)なんです(笑)。ベーコンの厚みやオニオンリングの数も最初から同じです」(菊池さん)
そんな意外すぎる回答に小林は「見かけ倒しじゃなくて、ちゃんとおいしいからすごいです」と、驚きの表情を浮かべていた。
「ボッサバーガー」では、テイクアウトももちろん可能。店主こだわりのハンバーガーをおうちでも堪能してみて。
ヘアメイク=田中宏昌
撮影=小山志麻
取材・文=大谷和美
※感染症対策を行ったうえ、店舗の了承を得て撮影時のみマスクを外しています。
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