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奄美群島が梅雨入りした5月19日、「第66回 奄美群島市町村議会議員大会」が伊仙町総合体育館(伊仙町伊仙)で開催された。(奄美群島南三島経済新聞)
前夜祭として開催された闘牛大会は他の島々からの参加者に徳之島の伝統文化を印象付けた
塩田康一鹿児島県知事をはじめ奄美群島12市町村の議員や関係者らが一堂に会し、離島地域の課題と未来への展望を語り合う会場は、真剣なまなざしと温かな交流があちこちで見られた。
今回の開催地となった徳之島伊仙町は、24年間町長を務めた大久保明さんから伊田正則新町長へのバトンタッチが決まった町長選挙が行われたばかり。議会事務局は町を挙げての2つの大きなイベントを前に、早くから大会準備に取り組んできた。初日の夕方にフェリーで到着した200人近い各島議員を出迎え、徳之島地域文化情報発信施設「なくさみ館」(目手久)で前夜祭として闘牛大会を開催。会場や伊仙町役場庁舎前には歓迎の横断幕を掲げた。
翌日は、与論町議会議員が午前中に徳之島健康増進施設「ほーらい館」(伊仙)などを視察。午後からは伊仙町総合体育館で「議員大会」が開かれた。国会議員と県議会議員による国政・県政報告に続き、港湾や道路などインフラ整備の他に「持続可能な部活動地域展開について」「奄美地域における持続可能な地域医療の確立について」など、奄美の島々が直面する共通の課題について活発な意見が交わされ、議員らは、国境離島に安心して住み続けられる定住環境整備の要望を提案した。
続いて行われた懇親会では、直売所「百菜」(伊仙)が提供する落花生や豚足など、地元食材をふんだんに使ったおもてなし料理を振る舞った。メニュー作りには伊仙町議会議員も協力し、参加者は舌鼓を打った。余興では地元を代表して伊仙集落青年団の「棒踊り」、犬田布集落子ども会の「イッサンサン」が披露され、続いて各市町村議員による出し物大会で会場を沸かせた。
エンディングでは、徳之島でうたわれる「ワイド節」を全員で踊り、奄美群島共通の「六調」で手舞(てまい)をしながら輪が広がった。肩書きや立場を超えて島の未来を共有した議員大会は幕を閉じた。
与論町議会議員の吉田勉さんは「議員大会当日のみならず、前夜祭として和太鼓や闘牛大会を観戦することができたところに、伊仙町のおもてなしの心を感じた。これからも各島がつながっていける自信を持つことができた」と振り返る。
次回開催は奄美大島瀬戸内町を予定している。