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世界自然遺産「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」誕生

  • 2021年9月28日
  • NACS-J

2021年7月、ユネスコ(国連教育科学文化機関)の第44回世界遺産委員会が中国・福州市でオンラインによって行われ、「奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島」の世界遺産リストへの登録が決議されました。
 ついに世界遺産となったこの地域で、これから必要な取り組みについてお伝えします。

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▲沖縄島北部のやんばるの森

日本で5件目の世界自然遺産

2021年7月、奄美大島、徳之島、沖縄島北部及び西表島が、日本で5件目の世界自然遺産に登録されました。
 アマミノクロウサギ、ヤンバルクイナ、イリオモテヤマネコなどの希少な固有種に代表されるように、国際的にも生物多様性上重要な地域であることが、世界遺産の記載基準(クライテリア)に合致すると評価されました。

 日本自然保護協会は、1990年7月に政府に対して世界遺産条約の早期批准の意見書を提出し、白神山地のブナ原生林とともに「南西諸島の特異な生物相およびその生息地」を世界自然遺産の国内候補地として要望しました。
 以後、琉球諸島の森林とサンゴ礁の生態系の豊かさを守るため、森林伐採や林道・農地・埋め立てなどの開発問題への対応、自然観察指導員の人材養成などに取り組んできました。また、世界遺産登録に向けた保護区設定のため、林野庁の森林生態系保護地域の設定委員を務めたり、環境省の国立公園の設定にも意見を述べたりしてきました。

 このような経緯から、日本自然保護協会は今回の世界遺産登録を歓迎し、各地域の自然保護団体、研究者、地方自治体、政府関係省庁など多くの関係者の尽力に敬意を表した声明を登録決定直後に公表しました。

これからの課題

世界遺産はリストへの登録で終わりではありません。世界遺産委員会からは次のような勧告が出されています。
 ①観光によるオーバーユースへの対策、②絶滅危惧種の交通事故死の防止、③人工的な整備がされた河川の再生、④緩衝地帯での森林施業の改善。
 今後はこうした対策に取り組まなければなりません。沖縄県と鹿児島県のそれぞれの自治体の関与が不可欠です。

 特に、自然と密着してきた地域の暮らしや文化があること、やんばるでは米軍北部演習場と隣接していることなど、これら地域特有の課題や特異性を踏まえた取り組みが求められます。その糸口として、地域連絡会議、科学委員会を中心とした遺産地域管理の仕組みをしっかり機能させていくことが必要です。

「周辺管理地域」の保全も必要

今回の登録では、小笠原諸島に続き「周辺管理地域」を取り入れた包括管理計画が世界的に認められた事例となりました。遺産地域と緩衝地帯の外に位置する「周辺管理地域」についても自然環境の保全と持続可能な利用が求められています。

 また今後、琉球諸島の重要な自然の構成要素である海域の生物多様性を守る上で、海域も一体として保護し、将来的に世界遺産地域を拡張していくことを期待しています。

執筆:大野正人(日本自然保護協会 保護部)

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