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「もったいない」Vol.2 フードマイレージ

  • 2006年1月15日

遠くから食べ物を運ぶと、エネルギーがもったいない!

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 今や日本には世界中の食べ物があふれています。なにしろ日本では、実に60%もの食料が海外から輸入されているのです。しかし、遠い距離を飛行機やトラックで運ぶと、たくさんのエネルギーを消費し、大気を汚染する排気ガスや二酸化炭素(C02)が大量に排出されます。大切なエネルギーを浪費したり、かけがえのない地球環境を破壊するのは、もったいないことだと思いませんか。食物の輸送について考え、もう一度「食」のあり方を見直しましょう。

 

群を抜いて高い、日本のフードマイレージ

 農場や漁場から消費者の食卓まで、食料を運ぶ距離をフードマイルといい、それに食料の重量を掛け合わせたものをフードマイレージといいます。フードマイレージは、食料輸送が環境に与える負荷の大きさを表す指標で、1994 年にイギリスの消費者運動家ティム・ラングさんが提唱したといわれています。
 2000 年の日本の食料輸入総量は約5300 万トンで、これに輸送距離を乗じたフードマイレージは約5000 億トン・キロメートルになります。これは、日本国内の1年間の総貨物輸送量に匹敵する数値です。ちなみに、韓国とアメリカのフードマイレージを見ると、韓国は約1500 億トン・キロメートル、アメリカは約1400 億トン・キロメートルで、日本のフードマイレージは韓国の約3.4 倍、アメリカの約3.7 倍になります。つまり、日本は他国の何倍も大きく、環境に負荷をかけているということなのです。

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 では、人口1人当たりのフードマイレージはどうでしょうか。日本の約2.2 倍の人口を持つアメリカでは人口1人当りのフードマイレージは、約500 トン・キロメートル。韓国は人口が日本の40%弱で、人口1人当りのフードマイレージは3200 トン・キロメートルと、アメリカよりもぐんと高くなります。日本人1人当りでは約4000 トン・キロメートルと、アメリカの10 倍近くにのぼります。これは、農業輸出大国であるアメリカ、カナダ、オーストラリア、ブラジルなどが、日本や韓国からは遠く離れたところにあるにもかかわらず、経済力にまかせてこれらの遠隔地から大量に食料を輸入しているためです。

 

“同じ距離でも、輸送手段が違えば、環境負荷も変わる

 船、鉄道、トラック、飛行機など輸送手段にはさまざまなものがあり、それぞれエネルギー消費量、CO2 排出量などに差があるため、環境に与える負荷は変わってきます。例えば、飛行機1機に1トンの荷物を積んで、1キロメートルの距離を運ぶとトラック6台分のCO2 を排出します。また船では40 隻分、鉄道では貨車30 両分に相当します。
 ですから輸送手段が違えば、近距離といっても環境負荷が少ないとは言い切れません。例えば、中国の山東省から神戸まで1737 キロメートルを船で運ぶ場合と、九州の熊本から神戸まで441 キロメートルをトラックで運ぶ場合とでは、CO2 排出量は船で中国山東省から神戸まで運ぶ方が少ないという試算もあります。

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 マグロ好きの日本人には耳の痛い話ですが、遠洋で捕獲されるマグロは4000〜5000 キロメートルもの距離を運ばれてきます。高級魚のように何千キロもの距離を空輸するとなるとエネルギー消費量とCO2 排出量は膨大になります。また、国内であっても、飛行機で空輸された野菜や魚を食べると、船、鉄道で運ばれたものや、地場で採れたものの数百倍〜数千倍の負荷を地球環境に与え、大量のエネルギーを消費します。
 国土交通省は、トラックよりCO2 の排出量が少ない鉄道輸送を多く使う商品・企業につける「エコレールマーク」の普及に取り組んでいます。マーク表示が認められるのは500 キロ以上の陸上輸送に鉄道を30%以上使う商品、15%以上使う企業。同じ商品なら、エコレールマークのついた商品のほうを買いましょう。


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