「もったいない」Vol.1 食べ残しを減らして、世界の飢餓を救おう

  • 2006年1月15日

 環境に対する取組で初めてノーベル平和賞を受賞したケニアのワンガリ・マータイさんは、資源を大切にする意味の日本語「もったいない」という言葉に深く共鳴し、「この言葉を国際語にしたい」と、世界各地で呼びかけています。

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 そもそも「もったいない」の「もったい」は、仏教で使われる言葉で、物のあるべき姿「本体」を意味し、命や物を大切にしようという気持ちを表します。まずは、食べ物を大切にするところから、「もったいない生活」を始めてみませんか。肉も魚も米も野菜も、みなかけがえのない「命」なのですから。

 

日本は世界で一番、食べ物を無駄に捨てている

 昔は、「ごちそうさま」のあとに、茶碗にご飯粒がついていると「もったいない」と叱られたものです。日本も40年ぐらい前までは食料が豊富ではありませんでした。一粒のお米でも、無駄にはできなかったのです。ところが、今では食べ物の量も種類も豊富にあり、食事を平気で残したり、古くなった食品はポンポンと気軽に捨ててしまう人がほとんどです。
 現代では、まだ食べられる食品や食べ残し食品を含めて、日本全国で1年間に2189万トンもの食品廃棄物が出ています。国民1人当たりだと171kgにもなります。日本は、世界で一番食べ物を捨てている国だといわれているのです。

 

生ゴミとして捨てられている食品の4分の1は、食べ残しや手つかずのまま

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 日本の食品廃棄物2189万トンのうちの約60%、1250万トンが家庭の台所から出る生ゴミです。ある調査では、この家庭から出る生ゴミの68%が調理くず(野菜、果物の皮や芯)で、およそ4分の1にあたる27%が食べ残しや手つかずの食品、5%が食べられない部分(貝殻や魚の骨)だったそうです。この数字を全国に当てはめてみると、食べ残しや手つかずで捨てられた食品の量は約338万トンにも上ります。
 ある大手コンビニチェーンが2003年度に捨てた消費期限・賞味期限切れ(あるいは間近)の食品は約400億円分にもなるという話もあります。他のコンビニやスーパーなどでも同じことが行われていたり、ファーストフードやファミリーレストランなどでも食べ残しがたくさん捨てられたりしていることを考えると、膨大な量の食べ物が、まだ食べられるのに捨てられていることになります。

 

無駄なく食べることで、多くの飢えに苦しむ人々を救える

 今、世界では8億人を超える人々が食料不足に苦しんでいます。また、飢えや栄養不良による病気で毎日3万人、年間1000万人もの子どもたちが命を失っているといわれています。人口が増加して食料の生産が追いつかない国、戦争や紛争などで食料の生産ができない国、天候不順や災害などによって食料生産が極端に減ってしまった国などが世界にはたくさんあるためです。
 世界の人口は、現在約63億人で、世界の穀物生産量はおよそ19億トンです。1人当たり1日に最低限必要な穀物の量は457g(年間167kg)といわれてますので、約114億人分の穀物があるはずです。ところが、その穀物の半分が食肉生産のための家畜飼料に使われ、食料不足に悩む人々にはまわってきません。

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 日本で捨てている食料をそうした人々に回すことができれば、どんなに彼らは助かるでしょう。前述のように、日本では家庭の台所、コンビニやスーパー、外食産業から、料理くずやまだ食べられる食品が大量に捨てられています。野菜などの調理くずでも、皮や芯、外側の葉の部分などは調理の仕方によって食べられるところがたくさんあります。これらをきちんと工夫して、無駄なく食べれば、食品廃棄物量2189万トンの半分くらいは食料として利用できるはずです。日本人が年間に消費する食料品の量はおよそ6605万トンですから、約17%の無駄をなくすことになり、その分の食べ物を海外から輸入しなくてもすむことになります。 その節約した食料で、およそ2560万人の飢えに悩む人々が日本人と同じ食料を摂ることができます。他の先進国の人々も同じようにすれば、さらに多くの人々を飢えから救うことができるのです。
 食べ物をごみ箱に捨てる前に、あるいは店で食べ切れないほどのメニューを注文する前に、もう一度「もったない」という言葉を思い出してみませんか。

 

こうして実践! 「もったいない生活」のコツ

 ポイント1.買い物は賢く計画的に
 スーパーや食料品店で魅力的な商品を目にすると、つい、必要のない物まで買ってしまいがちです。無駄のない賢い買い物をするには(1)その日のメニューを前もって考え、必要な物を、必要な量だけ購入する、(2)「あ、これほしい!」と衝動買いをする前に、自分の家の台所や冷蔵庫の中に何が入っているか、もう一度思い出してみる、(3)買いすぎ防止のために、小さめの買い物袋を持っていく、などを心がけるとよいでしょう。

 ポイント2.消費期限・賞味期限にとらわれない
 消費期限、賞味期限は食中毒防止のためにあらかじめ余裕をもって設定されていますので、期限が過ぎたからといって腐っているとか、食べられないということではありません。見た目に問題がなかったら、匂いを嗅いで見る。匂いに問題がなかったらなめてみる。そして味に問題がなかったら食べてみましょう。昔は賞味期限などなく、食べる人自身が色や臭い、形、触感、味などで判断していたのですから。

 ポイント3.せっかくの栄養豊富な部分を捨てない
 大根やにんじんは根よりも葉に、キャベツや白菜は青くてかたい外側の葉や芯にビタミンCが多く含まれています。野菜の一番栄養価の高いところを捨ててしまって、もったいないと思いませんか。にんじんの葉はかき揚げ、大根の葉や皮は、みそ汁の具や炒めもの、キャベツや白菜の外側の葉や芯は細く切って温野菜にすれば、栄養素を逃すことなく、おいしく食べられます。

 ポイント4.適切な保存で無駄を出さない
 野菜は何でも冷蔵庫に入れておけばよいというものではありません。特に夏野菜は冷やしすぎに弱いので要注意。ショウガ、バナナ、サツマイモなどは冷蔵庫に入れないほうがよい野菜です。また、野菜や果物を段ボールなどに入れたままにしておくと野菜、果物自身の呼吸熱で温度が高まり、栄養価やおいしさが飛んでしまいます。長期保存をしないで、なるべく早く食べること、これが栄養価を損なわず、無駄なく使い切るための基本です。

 

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