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(NY)vol.4 クリーンでグリーンでトールなマンハッタン造り
セントラルパークだけではないNYのグリーン

  • 2006年5月1日

NY のスカイスクレーパー30 年で3倍の高さに

 マンハッタンには数多くスカイスクレイパーと呼ばれる高層ビルがそびえている。だが、マンハッタンに最初に建てられた高層ビルは、今から100 年以上も前の1902 年に完成したブロードウエイと5番街の交差する23 丁目に今も商業ビルとして健在なフラットアイアンビルである。スカイスクレーパーと言えどもその高さは地上87 メートル、21 階建てであった。

Twin Tower が消えたNYのダウンタウン
Twin Tower が消えたNYのダウンタウン

 当時、周囲の建物の多くが4階建てであった事を考えれば、それは高層ビルに値するのであったのであろう。そのわずか10 年後にはフラットアイアンビルの3倍の高さを誇る、ウールワースビルがダウンタウンに完成している。その後、1930 年には地上318 メートルのクライスラービルが、そしてその翌年には381 メートル102階建てのエンパイアステートビルデングが完成。わずか30 年間の間にスカイスクレーパーの高さは3倍にも伸びている。

 

最後のスカイスクレーパー

 その後、ロックフェラー(現GE ビル)パンナムビル(現メットライフ)など幾つかの高層ビルが出現したが、エンパイヤステートビルを凌ぐ超高層ビルはその後40年の間建てられていない。その後、エンパイヤステートビルを凌ぐ超高層とも言えるランドマーク的なビルは、今はその形を残さないワールドドトレードセンター(WTC)のツインタワーであった。日系の建築士ミノルヤマサキが設計したWTCは1977 年に完成、当時は世界一の高層ビルとして知られ、2001年9月11日にその姿が消えるまでツインタワーと呼ばれ、マンハッタンには欠かせない光景として親しまれてきた。

 

始まるフリーダムタワーの建設

Freedom Tower の工事が始まった、グラウンドゼロ
Freedom Tower の工事が始まった、グラウンドゼロ

 ナインイレブンから5年目を迎えたWTCの跡地、グラウンドゼロは今でも地下20メートルの底にコンクリートの土台をあらわし、四方は高いコンクリートで囲まれ、壁からは鉄骨がむき出しになっている。その広さは約6万平方メートル。それはさながら水の入っていない巨大なプールの様だ。このグランドゼロに建設が決定ているフリーダムタワーの工事がいま丁度始まったところだ。

 

フェニックスのごとき現れたグリーンな7WTC
クリーンでグリーンなビルとは

その巨大なグランドゼロの東側に今年5月、地上230メートル、52階建ての7WTC がいち早く完成した。その姿は、まるで瓦礫の中から生まれ出たフェニックスのようにも思われるほど勇壮で人々に希望をもたらしている。この7WTCビル、実はグリーンオフィスタワーとしてワールドグリーンビルデングカンセル(WGBC)(www.worldgbc.org)よりエネルギー、環境対応設備を完備したビルとして承認された、NYで最初の建築物でもある。WGBCではLEEDシステム(Leadership in Energy and Environmental Design)(www.usgbc.org/DisplayPage.aspx?CategoryID=19)というビルの格付け制度を設け、世界のビルの環境対応度ランクを毎年発表している。今回の発表でこの7WTCがゴールドの環境対応ビルとしてランクされている。

7 World Trade Center
グランンドゼロにフェニックスの如く聳え立つ
7 World Trade Center
photo: courtesy of wirednewyork.com

 この7WTCがどのように環境対応をしているかと言うと、ビルの最上階では雨水を集め、冷房、トイレの排水に使われ、さらに余った水は周辺の公園の芝生などに撒かれ再利用。最上階には大型フィルターが設備され、ビル内のみならず大気の空気の洗浄を施している。同ビルでは、ビル内の空気を洗浄する事で、気管支炎、アレルギーなどに費やす健康医療費を大幅に削減できると言う。

 さらに、オフィス内の空気を洗浄する事で、ワーカーの生産能力も2上昇すると計算している。ビルに使用されている鉄骨の30パーセントはリサイクルされた素材を使用。ビルの周りを覆う外壁のガラスは、光を良く吸収し、室内の照明利用を低減させ、センサーにより外からの自然光の吸収度によって室内の光度が調節される。さらに外壁ガラスはソーラーパネルを兼用し、熱を反射しながらエネルギーを吸収、ビル全体がソーラーパネル発電。これで、ビル内で消費するエネルギーの30〜40%を供給できるという。ビルのインテリアに使われている木材を始めとする材料は再製材料を利用、ペンキなどもオーガニックペイントを使用。前途のグリーンビル協会の調査によると、自然光のもとでは、文字を読むとその速度が人口照明の下でよりも26パーセントも上がるという。さらに自然光のショップでは、人口照明のショップに比べ、売上げが40パーセントも上昇する事が解っている。自然光が人間に及ぼす効果は意外と高い事が明らかだ。

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