ボールダー界隈のクラフト・ビールやマイクロ・ブリュワリーの数は、コロラド州全体の10%程度を占めています。10%というと少なく感じるかもしれませんが、ボールダーの街は東京のお茶の水や長野の軽井沢程度なのと、コロラド州の総面積は日本の本州よりも大きいので、それから想像すると小さい街の割に、たくさんのブリュワリーが存在するというのを想像できるのではないでしょうか。
ボールダーやデンバーともに、クラフト・ビールのブリュワリーを回る1日観光ツアーがあります。グレイト・アメリカン・ビヤー・フェスティバルにしても、こちらのブリュワリーの観光ツアーにしても、法的にアルコールを飲むことができる21歳以上しか参加できませんが、この観光ツアーは1日に色々なビールを飲めるので、現地のアメリカ人にもとても人気があります。
また、ブリュワリーの隣りに備え付けられた、タップ・ルームと呼ばれる、ビールのテイスティング・ルームでは、だいたい毎日午後の3時すぎからクラフト・ビールを味わうことが出来ます。こちらでは、そのブリュワリーが出している色々なビールのサンプルの味見ができ、また最新のビールを味わうことができます。
タップ・ルームでは、ビールを飲むのがメインなので、レストランやパブのように食べ物を出していることはありません。ただ、フードトラックが、ブリュワリーの敷地に夕方にあわせてやってくるので、フードトラックの食事を食べながら、ビールを味わうあわことも可能です。
ビジネスとしてのクラフト・ビールは過去8年くらいの間に一気に成長しましたが、もともとは1970年代頃から自宅のガレージなどで作る、手作りビールのムーブメントがこのクラフト・ビールやマイクロブリュワリーのきっかけとなりました。
1年の300日以上が晴れで空気が美味しく、山に囲まれ自然いっぱいのボールダーで、自分好みのビールを作り始めたらどんなに楽しいだろう、そしてそのオタク的なビールを友達や家族とシェアする楽しさ。ボールダーのクラフト・ビールムーブメントは、友達や家族、そしてコミュニティーを重んじるボールダー人の文化の一つとなりました。
ですからブリュワリーの隣りに設けられた、タップ・ルームは、まさに、昔からのビール・コミュニティーの再現とも言えます。毎日、クラフト・ビールの通たちが、タップ・ルームに表れ、クラフト・ビールの奥の深さを語っている。これが、ボールダー的ライフスタイルだと言えるでしょう。
クラフト・ビールは、小規模なビール職人たちが手掛けるビールなので、ビールのラベルのデザインにしても、ブリュワリー直営のレストランにしても、そのビール工房の一つ一つの独特なセンスが効いたものが多いでしょう。アメリカに訪れた際には、クラフト・ビールを味わってみたり、マイクロ・ブリュワリーのタップ・ルームに訪れるのも楽しいかもしれませんね。