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(Boulder)vol.2 日本のオーガニック市場の低迷に比べ、アメリカのオーガニック市場は活発化している。

  • 2006年7月1日

有機芝生

穀物類の量り売り
穀物類の量り売りも種類が豊富

 アメリカならではというのか、有機肥料を使った芝生管理サービスの広告が舞い込んできた。芝生管理サービスというものは芝生というものがアメリカのどの家庭でも一つのステイタスシンボルになっているためであり、また多くの家庭は自宅の庭の管理を業者に任せることが多いために発達したビジネスである。しかしながら、降雨量が限られている高原乾燥性気候のコロラドで植えられているケンタッキーブルーグラスという芝生はこの地のネイティブ芝ではなくかなりの水を飲む。近所の目を気にして、水を溢れんばかりに与え、化学肥料で緑が目に刺さるように綺麗にさせる家庭が少なくない。

 環境を配慮した有機によるビジネスアプローチは以前からのものと比較するならば改善かもしれない。肥料から化学的物質がでないのは芝生にもよく、住人や利用者には安全になるだろう。それでも、芝に入っている枯れた葉の排除、芝刈りやエアレーション(根の発達を促すために地面に小穴をいくつも作る作業)はまだまだガソリンエンジン装備機材で行われる。広大な庭を持つ家庭を回って作業をするビジネスは手動機材ではとても収益を上げるだけの数をこなせないのであるから仕方がない。

 LOHAS志向で見るならば、水の豊富でない地方での水の無駄使いを配慮したい。環境を考えるならば手動器具で作業をしたい。もっというならば、業者を入れず自分の庭は自分の手で管理し育てたいものである。

 ゼロスケープというものがある。我が家には芝生がない。基本的にその土地のネイティブの樹木が植えられているだけである。家を囲むようにして聳える松、杉、トウヒの木々に、秋と春に根に水を与える2度を除き、年間を通して水撒きをしなくてもいい。樹木の表皮や葉を見ていると健康状態が分る。私はこれが本当のローハスだと思っている。

 

小池清通

■ 筆者紹介
小池清通…写真家。
在米24年、ロッキーの自然を撮り続け、自らもLOHASなライフスタイルを実践している。アメリカ人に引けをとらない体格だが、繊細な心の持ち主で、食に関する思いも深い。
来年春、日本で個展が計画されている。
http://www.usa-japan.com/nature

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