Vol.26　子育ての楽しさ…「子育て力」を伝えたい
子育て研究家/ 新井美里さん

子連れでキャンプ生活

　新井さんが小笠原諸島に移住していた当時、同じ時期に移住していた高橋由紀さんが日本古来の知恵に基づいたママと赤ちゃんのボディセンスを高めるプログラムとして「ベビーヨガ」を開発し、新井さんもちょうど2人目を出産したばかりで、赤ちゃんの心を身体のケアとスキンシップとして素晴らしいプログラムだと感じ、二人で2008年に株式会社ベビーヨガアソシエイトを設立。

　「自然の中で暮らす」ことが大好な新井さんは、普段は埼玉に住んで都内に通う日々。だからこそ夏休みなど長期休暇が取れる時には、2泊〜2週間位子どもたちを連れて長期キャンプに行ってます。長期キャンプの場合は、ご主人が仕事を休めないので女友達と一緒に女子＆子どもだけの“ガールズ＆キッズキャンプ”。
　「テントの設営は大変ですが、設営が終わればゆったり自然の中で暮らすだけ。キャンプ飯というと豪快なアウトドア料理というイメージがありますが、女子＆子どもキャンプの場合はサクッと簡単に、その土地の物を食べる、というシンプルなもの。
　4年前に、御前崎と西丹沢に合計2週間女子＆こどもキャンプに行ったときは、御前崎の漁港で買った釜揚げしらすやハラスなどを思いっきり堪能。主食はご飯、そうめん、パスタ。あとはおにぎり握って一日中海で遊んで、夜はランタンの灯りでみんなとワイワイ晩ご飯。本当に贅沢な時間です。
　今では子どもたちはキャンプに来ると、自然の中での楽しみ方を自分たちで発見して勝手に遊んでくれるので、親としてもノンビリできる貴重な時間にもなってます」

　キャンプ型野外フェスにも子連れで参加していた時、ふと回りを見ると音楽と自然好きな両親に連れられて多くの子どもたちが参加していたのです。子どもにとってもフェスが楽しいものになるといいな、というアイデアから、2年前にリリースしたイタリア生まれの乗用玩具「ロディ」を使ったキッズヨガ「ロディヨガ」を全国の野外フェスのキッズワークショップエリアで出展してます。
　子どもたちが音楽に合わせて、自然の中でカラフルなロディに乗っているヨガしている姿があまりにも可愛くて、様々な団体や企業からレッスン依頼が殺到。今月には日本コロムビアよりDVDも発売されました。

子育ての楽しさを伝えたい…ママガク

テレビ東京のWBSで「ママのための地域密着ビジネス」として紹介されました 　ママがもっと子育てを楽しむためには、どうすればいいか、新井さんが行き着いた先は「ママ自身が自分の人生を楽しむこと＋子育ての知恵＋ママ友達」という環境を整えていくこと。それをママのための地域密着子育て学校「ママガク」で実現したい。子育てが多様化してきた中で、身近な地域コミュニティの中で支え合う子育ての学校みたいのがあればいいな、と思ったのが「ママガク」の始まりでした。

　「私は子育てが楽しくてしょうがない。もちろん成長過程で色々悩むこともあるけれど、基本的に子どもたちを育てることが大好きなのは何故かな？と思ったときに、私には“自然”という軸が自分の人生にあるから、子育てもこの軸に沿って育てることでシンプルに、何を選ぶかが自分で選択できる。
だから悩むことはあっても、子育てにブレがないから、自分がいいと思った方法で子育てをすることができます。
　今の時代、本当に多くの育児法が存在し、ママたちは『我が子に最良の子育てを』と思って、色々な育児法を試そうとします。でもママ自身に『子育ての軸』がないと、この多くの育児法に振り回されて、結果子どもにとって合う方法ではなかったり、母子ともに無理をしたり、人と比べて悩んだり、子育てが楽しくなくなってしまうのです」

　ママ自身がママガクで子育てを想像し創造する【子育て力】を養うことは、本当の意味での新しい【子育て支援】。
　ここ5年間、ママと子どものヨガプログラムを開発・普及する仕事をしていた関係で、多くのママと子どもたちに出会ってきた新井さん。5年間で1000人は超えてるとか…。多くのママたちと出会ったことで気づいたことを活かしながら、『ママガク』はスタートしました。