サイト内
ウェブ

Vol.16 広げていきたいダンスの芽
舞踊家・コレオグラファー(振付師) 町永一美さん

  • 2010年3月1日

チームの華『ファイターズガール』の生みの親

ファイターズガール  ダンサーとして踊る、ダンサーに振付けをする、ダンスを教える、その意識に加わった新しい考え方、「もっともっと広げていきたい」という気持ち。例えば、札幌ドームでのファイターズ戦をダンスで盛り上げる「ファイターズガール」。プレーボール直前のグラウンドで、バットやグラブを手にしたファイターズガールが、音楽に合わせて軽快なステップを踏む「オープニングダンス」は彼女が育ててきたファイターズガールの見せ場である。
 町永さんとファイターズとの出会いは12年前。「球団と東京ドームさんの方から、グラウンド整備中に何かパフォーマンスをやれないかと持ちかけられたのが始まりでした。それまで、イニング間のインターバルに、イベント的なことをやっている球団はありませんでした。『球場内は一つのエンターテイメントの舞台である』という考えが合致したんです。ファイターズガールとグラウンドキーパーが一体となったダンスパフォーマンスは、今では定着していますが、最初は『とんでもない』『踊れない』というキーパーの声が圧倒的でした。選手がベストパフォーマンスをできるように整備をすることがキーパーさんの第一の役目ですから、まずはしっかりと整備していただく。でもYMCAの最後のフレーズになったら、『トンボ(整備でグラウンドをならす道具)を高く上げましょう』と提案させていただいたのがすべての始まりです」と町永さん。

 初代のファイターズガールもその時同時に発足しましたが、ファイターズガールは、学生や社会人として働いているメンバーで構成されているそうです。


2006年ファイターズが日本一になったときのファイターズガール
2006年ファイターズが日本一になったときのファイターズガール
 「北海道に移転が決まった時、北海道でファイターズガールを募集したところ、応募がたったの16通だけでした。その後、新聞・テレビで宣伝して何とか人数は集まり、ダンス経験者は少なかったのですが、みんな一生懸命レッスンについて来てくれました。今では彼女たちが、新人ファイターズガールを育てる立場にまで成長しました。そして、『ファイターズガールキッズ』(ファイターズガールを目指すキッズのためのダンス教室)の講師となって、現在、道新文化センターで約100名の子どもたちがレッスンに励んでいます。一番嬉しかったのは2006年にファイターズが日本シリーズで優勝。そしてアジアシリーズは東京ドームで行われました。東京ドームで嬉しそうに踊る彼女たちを見たときは、本当に泣けました。そして見事優勝し、アジア1位となりました。素晴らしいチームを応援出来て本当に幸せです」と嬉しそうに語る町永さん。
 ファイターズガールは毎年、オーディションを行い、今年は113人の応募者から30人のファイターズガールが決定したそうです。


広げていきたいダンスの芽

スペースワールドのキャラクターたちと町永さん
スペースワールドのキャラクターたちと町永さん
 1990年にオープンした九州のスペースワールドというテーマパークにも15年間関わってきた町永さん。「パレードからステージの振付など全て振り付けさせて頂きました。キャラクターは可愛いだけではなく、しっかりテクニックのある難しいステップもこなします。『スペースワールドのキャラクターやダンサーはレベルが高いね』と言われるように心がけてきました。現在スペースワールドのダンサーの中には、劇団四季に合格して、ライオンキングに出演しているメンバーもいます」という町永さんは、劇団四季の研究所で週2回、劇団員や研究員にジャズダンスを教えています。
 「現在、劇団四季のスタジオでは、照明そして暖房も使用しません。スタジオは全て南向きに作られ、冬は日差しで明るく暖かいからなんです。屋根には太陽電池が取り付けられ、それで使用する電力がまかなわれているんです。全て徹底しているからこそ、素晴らしい舞台が出来上がるんだと実感しています。四季にはいつも緊張感が漂います」と、エコ事情も教えてくれました。

 そして町永さんが主宰するK'z Dance Studioでは、ジャズダンスのレッスンを受けている人たちのステージ発表の場として、骨髄バンク「命のつどい」PRイベントとして行われている市民参加型ダンスパフォーマンスでダンスを披露しています。ダンスパフォーマンスに参加することで、骨髄バンク登録運動、骨髄移植の知識の普及活動にも貢献している。
 「毎年、お正月のカウントダウンは九州なんです」と、年に数十回も北へ南へと飛び回る町永さん。東京から遠く離れた地域にも教え子のダンサーたちが育っています。「今、私が心がけていることは、移動にできるだけ車に乗らないこと。普段から荷物が多いため、ずっと車を使用していましたが、2年前、自転車を購入しました。駅までの道のり、公園の木々や花など自然とふれ合う楽しみが増えました」



キーワードからさがす

gooIDで新規登録・ログイン

ログインして問題を解くと自然保護ポイントが
たまって環境に貢献できます。