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Vol.10 今、地球上で一番シアワセなのは、先進国の田舎町?
山形県産ワイン認証委員 青山克己さん

  • 2008年9月1日

山形県産ワイン認証委員 青山克己さん

I・DE・WAの国、やまがたで

写真 olahona(おらほな):山形のほか、首都圏の有名百貨店などで扱われています。
http://www.olahona.jp

 青山さんが所属している(株)小島洋酒店企画開発事業部は、地域の特性を活かした商品企画やビジネスモデル、マーケットの実践的開発、地元の東北芸術工科大学:情報計画コース研究室などとの商品化共同研究などを行っています。

 純・山形産カクテルフルーツワイン『olahona(おらほな)』の開発もその一つ。「山形は、フルーツ、ワインともに産地なのに、それをきちんと表現している商品がまだまだ少ないという事と、その実現性に気付いて、地元のワイナリー有志と芸工大研究室に呼びかけて、開発に取り組んだんです」。現在は10種類のアイテムが誕生。

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 また、まちづくりへの関心も高まり、『NPO宝さがしから地域デザインを考える会』へも関与。「各地域に生活している一人一人の大切にしている思いや、気持ちが込められている事柄やモノを「宝」と認めて、その「宝」を探し集め掘り起こしてみる。ここからまちづくり・地域づくりを考えていこうという事で、地域デザインを企画実践している団体」とのこと。

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 山形を囲む月山、羽黒山、湯殿山の「出羽(でわ)三山」は、全国から多くの参拝者が訪れます。昨今のスピリチュアルブームで、若い女性の姿も多く見かけるようになりました。

 「『出羽』は、古くは『イ・デ・ワ』と読み、語源の一説にはアイヌ語で、イ(それが、神、鮭)・デ(ここを)・ワ(徒歩する)、『鮭が遡上する所』の意味があるそうです。山形県内には最上川水系をはじめ、荒川水系、赤川水系と、鮭が遡上する川がたくさんありますからね」。さらにもう一つ、「ブナ帯文化の研究者によると、『ミヤゲ(土産)』の語源には、ミ・アンゲ(身を与える)という意味があり、天上では鮭や熊などの動植物も人間と同じ霊(スピリッツ)の所有者で、喜怒哀楽に満ちた生活を送っているのだそうです。そして人間にミ・アンゲを与えるため、動植物に仮装して地球上に降り立つのだと。私たちはそれらをありがたく頂き、礼儀正しく天に送り返す。そうすることで、動植物は天に帰って手厚い待遇を受けたことを仲間たちに報告し、良い話を聞いた霊たちは、また来年も同じようにミアンゲを持って地球を訪れようと思うのだそうですよ」。

 もしかすると、I・DE・WAの国:山形は、古くから循環調和を心根とした人々が住む地域だったのかも知れない・・・と、山形での生活、そして多くの活動を通して思うそうです。

今、地球上で一番シアワセなのは、先進国の田舎町?

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 美しい自然と、地域の美味しい産物に優しく育まれてこそ、人っていうのは、個々のリズム(ビート)で安心して暮らせるものだと思う、と話す青山さん。

 「そんな状況が比較的実現されているのは・・・もしかすると先進国の田舎町だけなのかも。特に日本の、そして山形の水はまだまだ美味しく、本来の食がとても豊かです。先ずはその恵みを再認識した上で、この自然環境はじめ、地域文化・経済が、ちゃんと再生産出来る様に循環調和に努め、後世に渡していくことが、これからのオトナ達の役目ではないでしょうか」。

山形を拠点にした、これからの活動は

 青山さんは今後もさまざまな活動を考えています。
 「1つはコロラド&ボールダー、山形県&山形市が、LOHAS×国際交流として発展するよう働きかけること。前述の山口先生ご夫妻に、ボールダーでとてもLOHASな活動をされている日本人の方がいらっしゃるという話をお聞きしましたので、いつかお会いしてみたいです。2つめは、当地山形の水環境は世界でも稀なほど良質だと思っています。その事を再認識してもらえるよう広めていくと同時に、水の事を自分としてももっともっと知りたいです」。

 また、新しい試みとして『SweetsとWineを楽しむの会』を発足。ワインと料理、ワインとチーズのマリアージュにとどまらず、スイーツとの可能性を広げていきたいとか。先日最初の試食会が開催されました。

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 「機会があれば、米沢:上杉鷹山が編纂させた、食べられる山野草やその食べ方をまとめた『かてもの集』を題材にして、それをLOHAS的眼差しで現代の料理に活かしたレシピ集などを発刊する働きかけや、そのお手伝いなどもしてみたいですね。“かてもの×LOHAS”=“オトナの食育系お料理本”という感じで。ほかには、現代の『やまがた』を切り口とした、新たな商品企画やデザイン開発について、個人はじめ企業など誰もが改めて勉強したり、考えたり、実践研究を行える様なネットワークづくり」。

 自然環境も、経済・文化活動も、循環調和を心根において、謙虚粛々×日々初心で働き努めることが、私にとってのLOHASかな?と思っているそうです。


■取材後記
広告プランナー:浅倉かおり

LOHASや環境問題に関わる人は、ストイックだとかガマン強いだとか言われることがあるのだけど、それもちょっと違うかも知れない・・・ということが、青山さんのお話からもよくわかります。自分にとって心地いい土地に身をおいて、日々のお仕事を含め、当り前に暮らすことがLOHASな生き方の理想でもあるだろうし、この暮らし方が、青山さんの才能の一つ「新しい仕掛けを生み出すこと」にたくさんのヒントが注がれて、地域の人たちもますます楽しくなれる。この先、どんなアイデアでLOHASな風をふかせてくれるのか、やまがたの住民としてわくわくしているところです。

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