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Vol.06 ファッションではなく潮流としてのLOHASを見た!感じた!
広島文化短期大学・助教授 烏田 いづみさん

  • 2007年9月1日

広島文化短期大学・助教授 烏田いづみさん

LOHAS ライフスタイル“百聞は一見に如かず”

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 実は海外研修でボールダーに行く前はヨーロッパの経験が多くアメリカはニューヨークに続いて2回めの訪問なので、正直ヨーロッパの方が衣食住やスローライフの意識は高く、日本の方が自然を畏敬する思いや共存の姿勢は持っているような気がしており、アメリカの飛行機で空港で人々の様子を見ている間は本当に何か得られるのか不安だった。だが現場に立ち研修を受ける内にLOHASの思想が行政にまで浸透し、積極的環境保護、自然枠の保護政策、住宅開発・商業地域開発の抑制、公共交通網の充実(バス・自転車利用※バスの外側に自転車を引っ掛けられる金具がついている。)等行政が住民と一体となり動かしている環境・健康等の取り組み方は、これから私達が見習って行きべき点が数多くあると考えさせられた。町行く人々がアメリカ人独特の巨漢の人が少なく、緑豊かな繁華街に、子供達を連れて遊んでいる母親達の顔も穏やかで、ナチュラルでゆとりを感じさせる。

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 スーパーや大学に至まで意識は高く、これは日本にはなかなか無い事。得に印象に残ったのがボールダーに本拠地を置く2店鋪の小売店、「Whole Foods Market」と「Wild Oats Markets」。両店ともオーガニック食品を多く扱うが、時期的に入手困難な場合それ以外の物(肉や魚の抗生物質や成長ホルモンの使用の有無まで事細かに表示してある。)が明確にされている。生産・流通の持続性を考えフェアートレードの意識も高く、健康食品として豆や穀物も多種類揃えられており、とうもろこしからできたパッケージに必要な量だけ取ることができる。またコンピューターでアレルギー食品の選別もでき、メニューの提案までしてくれる。消費者の安全・安心の為の徹底振りには頭が下がる思いがした。また、持続可能な様に、環境や安全を考えている生産者・企業を助け育てようとする努力も忘れない。短絡的でない長期的ビジョンがある。ナチュラルなスキンケア商品やビタミン、ハーブなどといった、ホリスチックヘルスの商品も充実。ヘルスコンシャスなライフスタイルを持つ消費者層の圧倒的な支持を受けているようだ。ふとしたドラッグストアーにもメディテーションのCDや子供用のヨガのビデオが普通に売られており驚かされた。

 私が精神世界の足を踏み入れたのは17年前。シャーリーマクレーンの本を読み、ヨガや気の話をしても通じなかったあの時代からすると普通に理解されはじめた今はやはり進んだのかもしれない。もう一歩人間が少しエゴ的な欲を解き放ち目に見えない物を信じる事ができるようになれば・・・もっともっと進みはじめるのではないか・・。そんな期待をふと持つ事ができる都市である。

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「ソーラー10種競技」で優勝したソーラーハウス

 人口の40%が学生であり教育水準も高い都市だけに大学も文化的で環境も良い、コロラド大学では学生のリサイクル(校内のゴミをリサイクルし学食のトレー等にしている。至る所に分別されたゴミ箱が設置)や環境問題に対する取り組みも素晴らしかった。(一例・・建築科の学生達が作ったソーラーハウスは全米30大学の頂点にたった。)専攻科の学生の案内のもと、緑香るキャンパスを歩く。常にコンサートや演劇も楽しめる。人生の、暮しの楽しみ方、生きている歓びまで教えてくれているような気がした。おそらく学生達はこのキャンパスの環境や取り組みを誇りに思うだろう、そして地球に還元して行こと思うに違いない。

忘れかけていたモノがそこにはあった。地方の街の良いモデルに…

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 ほんの数日の滞在だったが、ボールダーは住民が都市が本当に生き生きとしている、環境を考え地球を考え安心安全な暮しを求めながらもあらゆる物を否定しないような度量の広さがある。基本的な物が出来上がっているからであろう。繁華街に数多くのインテリアショップも見受けられた、町並みも作られ過ぎていない。各家の庭も緑に溢れていた。人間の原点「暮らし」「家」に対する意識の高さではないか。つまり繰り返される日常を大切に考え心地よさを持続させ存続させて行こうとする事はイコール地球を環境を守る事にあると知っているのである。

 日本の古の思想がこの地には根づいている。(至る所に日本の書が掛けられていた。禅の思想も理解されていると言う。)私達が忘れかけている日本の美意識、わびさび、雪見障子等に見られる自然を暮しの中で感じようとする心、そして今世界的にいわれている「もったいない」の心をもう一度見つめ直してみよう。そこから新たなる日本のLOHASが生まれてくるような気がする。LOHASコンシェルジェとしてLOHASを伝えていくためにはまずはさらなる勉強と努力をしていかねばならない。大学や教室やセミナーを通して伝えていて行かなければならない。自分のライフスタイルは守りながら・・それがロハスではあるが、伝えて行く立場に身を起きLOHASコンシェルジェになる。甘えは許されないし、やはりまずは手本とならなければと思う。やりがいと共に責任の重さも痛感している。

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