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第27回 美肌研究家/白河三來さん
ホリスティック・ビューティーを目指して

  • 2013年1月17日

ホリスティック医療への思い

そして妹さんの難病がきっかけで西洋医学に懐疑的になったのですか…

NHKカルチャーセンターのセミナーで

NHKカルチャーセンターのセミナーで
NHKカルチャーセンターのセミナーで
 はい、三つ目は亡き妹の難病です。私の妹は43歳で高齢出産をしたのですが、その後、原因不明の全身の激痛に悩まされ、様々な病院を転々としました。産婦人科にはじまり、外科、心療内科、整体院、ペイン・クリニック…どこへ行っても原因不明と言われました。いろいろな病院で「気のせいでは?」と言われ、形だけ薬を処方してくれるもののまったく効果はなく、毎日が過ぎていきました。西洋医学の診断方法では、レントゲンを撮る、CT、MRIを撮るといった方法でしか痛みの原因を探ることができず、骨の異常なら見つけられるけれど、筋肉の異常は見つけられない。妹の訴えたような皮膚の少し下の痛み(たぶん筋膜だと思うのですが)の痛みは原因の探りようがないようでした。最後にたどり着いたのが東洋医学の病院でしたが、予約した当日に妹は自らこの世を去ってしまったのです。

 痛みの強い病気と「うつ症状」は結びつきやすく、それがこんな結末になってしまったのです。妹の病気の本当の原因はなんだったのだろう?パーツ別にしか診断してくれず、カラダまるごとを見ることのできない西洋医学って意味があるのかしら?私の西洋医学に対する疑問はとても大きなものとなっていました。  それと同時に、ホリスティック医療への片思いは高まっていました。いろいろなことをブログを通して世の中に伝えられたら…と思っていたときに、代替医療を専門とするブロガーさんに出会い、「一緒に何かやりたいね!」とセミナーを始めたのが、年間のべ1,000人以上の女性を動員するようになったVMCセミナーです。

なぜ女性をターゲットにしたのでしょうか?

 男性よりも頭が柔軟だから。そして、女性に伝えれば、彼女たちが出産したときに子どもたちに伝わっていく…と考えたからでした。そして「薬を使わず健康になる、化粧品に頼らず美しくなる」という美容の要素を持たせたのは、初めから「健康志向」にしてしまうと年寄りくさい雰囲気がして女性たちは寄ってこないのではないかと考えたからです。「美」を謳っておいて、気がついたら健康の話だった…という展開の仕方をしようと考えていました。もちろん、健康であればお肌も美しくなるのが常ですから、これはとても理にかなったことだったのです。

 


ステロイドとポテトチップス

予想外な展開があったということですが…

いくつになっても30代の美しさを保つ習慣
 一つだけ予想外な展開があったとすれば、それは、ご家族やご自身がアトピーやアレルギー疾患に悩む受講生さんがとても多かったことです。アトピーの受講生さんたちは、いったんはステロイドで症状が軽減しても、体の中に蓄積されたステロイドによって、さらに悪化する…といった経過を辿っている方が多く、脱ステ(ステロイドを体から完全に抜去ること)が彼女たちの合い言葉でした。そして、このセミナーではアレルギー体質にならないような食事の摂り方や生活習慣というものを教えていましたから、スナック菓子NG、インスタント食品NG、コンビニ食NG、ファーストフードNG、揚げ物NG。
 オメガ6系の油は少なくして、オメガ3系の油を摂る。トランスファットは厳禁。といった食のルールがありました。これは、もちろん健康な体を作るためのルールでもあります。そして、この世界ではステロイドは悪者でした。
 しかし、このセミナーが一通り役目を終えて、講師の先生も次のステップへと進まれた昨年、私の価値観をひっくり返すような出来事が起きたのです。それは、友人が急性リンパ性白血病を発症したことでした。
 そもそも、初夏の頃からときどき脚が痛むとか、咳が出るとか言っていたのです…。ところが、8月の末になって「痛くて痛くて、食事も一人ではできない。食べさせてもらっている」という彼女の訴えを聞き、「これはもしや妹と同じ難病では…」と思ったのです。妹は自分のことを腺維筋痛症ではと疑っていました。結局診断がつく前に亡くなってしまったので今となっては謎ですが、その病気について私は毎晩ネットで調べていましたから、専門に見てくれる病院の一覧表を彼女に送りました。妹の二の舞になっては困るから。早速、彼女のご主人が予約を入れ診断を受けたところ、「腺維筋痛症なら全身に痛みがあるはずなので、これは違うような気がする。念のため血液検査を」と言われ、検査を受けたところ白血球の量が異常に増えており、即入院となったのです。その結果、急性リンパ性白血病とわかり、ステロイドの大量投与が行われ、彼女は激痛から解放されました。悪者だったはずのステロイドが、ここでは救いの天使となったのです。私の価値観が真っ逆さまになった瞬間でした。そして、度重なる抗がん剤投与により、彼女は今免疫力がゼロです。免疫がゼロの人間にとっては、健康志向の人が好むローフードや発酵食品はどんな菌がいるかわからない恐ろしいものです。絶対に食べてはいけません。その反対に、世間で健康に悪いと言われるカップヌードルやポテトチップスといった完全に加工された食品は、理想的な食べ物なのです。ここでもまた、価値観はくつがえされました。
 西洋医学でなくては治せない病もあり、ホリスティック医療でなくては癒せない病もある。ステロイドでなくては消せない痛みもあり、ステロイドに悩まされる人生もある。今までの価値観が真逆になるこの相反するものを目の前にして、今私はしばし佇んでいるところなのです。

 

 

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