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第22回 ネパール大衆歌謡歌手 / スンダリ・ミカさん
癒しの国 ネパールに育まれ…

  • 2010年11月18日

日本とネパールの狭間で

ネパールで日本語学校も経営され、留学生や研修生の指導をされていますね。

ネパール日本語学校で
ネパール日本語学校で
 2007年からカトマンズで日本語学校を始めました。これからは「私にしかできないネパール大衆歌謡歌手」の仕事だけでなく、「私だからできる日本語学校の仕事」でも両国に貢献していきたいと思っています。高等教育を受けても、慢性的に国内に仕事がないネパールでは、若くて働き盛りの人はどうしても留学や出稼ぎをせざるをえない現実があります。
 出稼ぎを考えているネパール人が、「もし月に15,000ルピー(日本円で約2万円弱)の稼ぎが自分にあれば、何もわざわざ好き好んで家族と離れてアラビアや東南アジアに出稼ぎに行くものか」と言っていたのがとても印象に残っています。生活に十分な収入が無ければ、希望の持てる未来を創造することもできません。多くのネパール人は、自国では一生かけても決して叶わないかもしれない夢を叶えるため、家族の幸せのために外国に渡ります。
 夢を実現するため、もし彼らが日本で仕事をしたいと選んだのであれば、その手助けをしてあげたいという思いで研修生の日本語学習の指導をしてきました。けれどいつか、研修を終えてネパールに戻った彼らが、自分たちの力で、優秀な人材がネパール国内で十分に力を発揮できるような社会の素地を作っていく努力をして欲しいと思っています。日本に渡った研修生たちが日本で円滑なコミュニケーションを図りながら、実りある研修生生活を送ってくれることを切に願いますし、そのためのサポートをしていきたいと思っています。

 

毎年、日本で里帰り公演をされていますね。

 

福岡小学校の授業で
福岡小学校の授業で
遷都1300 年祭まほろばステージのイベントで
遷都1300 年祭まほろばステージのイベントで
 2004年から始めた里帰り公演も今年で7年目になり、2008年からは国際音楽祭などにもネパール代表として参加させていただけるようになりました。今年も、短い一時帰国の間に10以上の都道府県を駆け回って、ネパールの歌を歌うことができたのは、各地で応援してくれるファンや支援者のお陰だと思って感謝しています。特に福岡・岡山・奈良での公演は、市や県をあげてのお祭りで、たくさんの人たちにネパール音楽の世界を広めることができました。
 現地在住のネパール人留学生を動員してバックダンサーズをやってもらったことで、観客の皆様にはささやかながらもネパールの村祭りの楽しさを伝えられたとも思っています。ステージを見てくれた方が私たちの演奏をきっかけにネパールに興味を持ったり、実際に行ってみたくなったら歌手冥利に尽きますね。
 最近では歌の公演以外にも、学校や市民講座などでの講演を依頼されるようにもなりました。お年寄りや子どもたちの前で歌ったりネパールのお話をさせてもらう機会もありますが、そういう時が一番楽しく、やりがいを感じます。お年寄りや子どもは反応がとてもストレートで、楽しそうな雰囲気がダイレクトに伝わって来るからです。ある意味ネパール人の感性に一番近いのかも知れませんね。
 2010年最後の公演は10月24日に奈良平城宮跡で行われた「遷都1300年祭まほろばステージ秋の宴」でした。2004年以来、里帰り公演の時にはいつも演奏でサポートしてくれている奈良のタブラ奏者が一般公募に応募し、200組以上の団体の中から選ばれての参加だったということです。1年以上前から準備してのぞんだイベントでしたので、終わったときの感慨もひとしおでした。今年の忘れられない思い出のひとつです。


2011年ネパール観光年「ようこそ!脱力系 癒しの国 ネパールへ」

2011年はネパール観光年ですね。民間観光大使をされていますが・・・

ネパール観光年ポスター  2009年に「2011年ネパール観光年民間観光大使」という役目をいただきました。正確にはこちらから政府観光局に売り込んで「私にネパール観光年を宣伝させてください!」と直談判して勝ち取った役職ですが…。特別な権限も特権もありませんが、やりがいはありますね。私の歌やネパールに関する話を聞いて、ネパールに行ってみたくなるような人が出てきたら、こんなに嬉しいことはありません。
 観光年を応援するミニアルバムも作りました。タイトルは「レッサムフィリリ〜飛んでゆこうよ あの山越えて〜」。この曲はネパールでは誰もが知っている民謡で、私が最初に覚えた歌でもあります。この「レッサムフィリリ」をネパールに暮らす5つの民族の言語・メロディを使ってアレンジしました。バックの演奏にはネパールで絶大な人気を誇っている7人編成の伝統楽器のバンド「クトゥンバ」を起用しました。この曲を通じてネパールの村々を旅行している気分になってくれたらいいなと思っています。
 小さな国ですが、コンパクトにいろいろなアトラクションが凝縮されているのもネパールの魅力です。古都めぐり、山歩き、ジャングルサファリ、アドベンチャー、湖畔リゾート、巡礼。ネパールという国の財産はヒマラヤだけではありません。お釈迦様が生まれた国でもあることは意外に知られていないのでは?60以上の民族のさまざまな生活習慣や文化に触れながら、自分だけのネパールを発見したら、田舎に住む友だちに会いに来るような感じで何回でも訪れて欲しいですね。皆さんのお越しをネパールで待っています。

 

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