値上げ続きの昨今ですが、自分と家族の健康のために、野菜はちゃんと食べておきたいですよね。
そこで、食費は節約しつつおいしく調理するコツを、人気料理店「賛否両論」店主の笠原将弘さんに聞きました。いつもの野菜が格段においしくなりますよ!
▶教えてくれたのは
笠原将弘さん
東京・恵比寿の日本料理店「賛否両論」店主。日本料理を日本に、世界に知ってもらい、味わってもらうべく、雑誌、書籍、テレビなどで活躍中。プロならではのコツを押さえたレシピで、本誌連載も大人気。近著『賛否両論 笠原将弘 保存食大事典』(KADOKAWA)が好評発売中。
ゆでもやしの肉巻き
【材料・2人分】
豚バラ薄切り肉…14枚(約200g)
もやし…1袋(約200g)
万能ねぎの小口切り…3本分
合わせ調味料
・砂糖、みそ、酒…各大さじ2
・酢…大さじ1
・しょうゆ…大さじ1/2
・豆板醤(トウバンジャン)…小さじ1
塩、サラダ油
【作り方】
1.もやしはたっぷりの湯でさっとゆでてざるにあけ、熱いうちに塩少々をふる。さめたら水けをしっかり絞る。
2.豚肉1枚を縦に広げ、もやしを手前に1/14量のせてくるくると巻く。残りも同様にする。
3.フライパンに油大さじ1を中火で熱し、2の巻き終わりを下にして並べ、動かさずに1~2分焼く。時々転がしながら全体に焼き色がつくまで焼き、余分な脂を拭き取る。
4.合わせ調味料を回し入れ、ふたをして約1分蒸し煮にする。ふたを取り、炒めからめる。器に盛り、万能ねぎをのせる。
まずは節約食材の定番、「もやし」を使ったおかずから。もやしは水分が多いため、肉巻きにすると型くずれすることも。これを防ぐためにはもやしをゆでて塩をふっておき、水気をしっかりと絞っておくのが大切です。
豚肉をきつめにしっかりと巻くのもポイント。あとはこんがり焼いて、ピリ辛味の甘みそだれをからめるだけ!
続いては安い時に買い置きできるじゃがいも、にんじん、玉ねぎなどの常備野菜で作るおかずをご紹介します。
肉じゃが
【作り方】
じゃがいも(メークイン)は大きめの一口大に、玉ねぎは縦1cm幅にカット。ごま油をひいたフライパンで豚こま切れ肉を炒め、色が変わったらじゃがいも・玉ねぎを加えて炒め、砂糖・しょうゆをからめる。酒・水・塩昆布を加えて煮立ったら弱火にし、アルミホイルをかぶせて約10分煮る。火を止めてそのまま冷まし、食べる時に温めて。
「肉じゃがには、「塩昆布」を入れるとだしいらず! 大事なのは長く煮るのではなく、さまして味を含ませることです」。食材は煮る前にざっと炒めておくことで、煮くずれしにくくなります。落としぶたにはアルミホイルを使うと便利。
にん玉じゃがの一口かき揚げ
【作り方】
人参は3cm長さに切って細切りに、玉ねぎとじゃがいもは1cm角に切り、ボウルに入れ小麦粉をまんべんなくまぶす。溶き卵を少しずつ加えながら手で混ぜ、小麦粉も少しずつ加えて丸められるくらいに調整。手に水をつけて一口大に丸め、揚げ油(約170℃)で3~4分、途中上下を返して揚げれば完成。器に盛って串に刺し、レモンやディップを添えて。
「いつもキッチンにある万能野菜も小さく切って揚げればこのとおり! ピンチョス風にスティックに刺して、ディップなどを用意するのを忘れずに」。揚げるときは、おたまやスプーンを使うよりも、手の平の上で丸めてそのまま揚げ油に投入したほうが、くずれにくくラクチンです。カレー塩(カレー+塩)やのりマヨディップ(マヨネーズ+のりのつくだ煮+練りわさび)、染めおろし(大根おろし+しょうゆ)などを添えて、味を変えて楽しんでみてください。
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笠原さんのおかずは、ほんのひと手間で味が一段とグレードアップするものばかり! 調理のポイントをおさえれば、いつもの野菜でもおいしすぎる1品が作れます。
レシピ考案/笠原将弘 撮影/日置武晴 栄養計算/スタジオ食
【レタスクラブ編集部】