何度ダイエットに挑戦しても、続かなくてついやけ食いしてしまう…。そんな経験はありませんか? その原因、実は「睡眠の質」にあるかもしれません。質のいい睡眠をとって、一緒にやせやすい体を目指しましょう!
教えてくれたのは▷
友野なおさん
睡眠コンサルタント。睡眠を改善して1年間で10kg減量した経験から、睡眠を研究。講演や執筆活動を通じて、快眠メソッドを広めている。『ぐっすり眠れる不思議なぬり絵』シリーズ(西東社)など著書多数。
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ダイエットに失敗するのは睡眠の質が悪いせい?
寝ないと脳は「食べろ」と命令する
ダイエットにくじけるたび、自己嫌悪でやけ食い……。実はそれ、意志が弱いのではなく睡眠の質が悪いせいかもしれません。
「きちんと眠れていないのは体にとって異常事態。危機に備えてたくさん食べろと命令してくる脳の指令に抵抗するのはつらいんです。寝ないと自律神経も乱れるので、イライラして暴飲暴食に走りがち。やせたかったら、食欲を我慢するより、きちんと眠るほうが近道です」と睡眠コンサルタントの友野なおさん。国際比較調査によると、世界で最も寝ていないのは、日本人だそう。
「睡眠の質は『長さ×深さ』で決まります。時間を延ばせなくても、深く眠れば質は向上。食欲を抑えるホルモンが分泌され、自律神経も安定。スルスルやせられます。メンタルが安定し、免疫力も向上しますよ!」
友野さんも睡眠改善で1年10kgのダイエットに成功!
仕事が忙しく万年睡眠不足だった20代後半は体重65kg。睡眠を見直して1年間で10kgのダイエットに成功後、2回の出産を経てさらに5kg減。現在50kgをキープ中!
「毎晩ぐっすりさん」と「睡眠不足さん」では1日がこんなに違う!
「睡眠の質がよければ一日中やせやすい」と友野さん。そこで、毎晩ぐっすり寝ているスヤスヤさんと、睡眠不足でいつもウトウトさんの1日をのぞいてみました!
■毎晩ぐっすりのスヤスヤさん
0:00
やせホルモンが分泌される
●成長ホルモン・・・筋肉や骨の合成を活性化させ、代謝を高めてくれるホルモン。寝入りばな3時間に集中して分泌される。
●レプチン・・・食欲をコントロールしてくれるホルモン。睡眠時間が短いと分泌量が減るので、ドカ食いを止めにくくなる。
●メラトニン・・・強い抗酸化力を持つ若返りホルモン。自然な眠気や、成長ホルモンの分泌を促すのも、メラトニンの仕事。
●セロトニン・・・昼間の元気な活動を支えるホルモンで、ストレスを緩和する作用も。夜には眠気を誘うメラトニンに変わる。
7:00
朝食をしっかり食べお通じがある
しっかり眠れば朝食や排便など、1日の1歩目がスムーズ。
14:00
日中の活動量が充実しシェイプアップ
睡眠で疲労が回復すれば日中の活動量が高まり、エネルギーを消費。
19:00
夕食は寝る3 時間前が定着
朝食をとると3食の時間のリズムが整い、やせやすくなる。
■睡眠不足のウトウトさん
0:00
デブホルモンが過食に走らせる
●グレリン・・・食欲を刺激するホルモン。睡眠時間が短いと分泌量が増える。空腹でなくてもおなかがすいた気になって、食べ物に手が伸びてしまう。
●コルチゾール・・・睡眠中に脂肪や糖質を分解するやせホルモンだが、寝不足になると分泌過剰に。イライラを増幅させるため、ドカ食いしやすくなる。
●オレキシン・・・体を覚醒させて、狩りに向かわせる働きを持つホルモン。夜中に目覚めてつい冷蔵庫をあけちゃうのは、オレキシンの影響も大!
7:00
朝食は抜きがちで便秘気味
眠りが浅いと食欲が湧かず朝食を抜きがち。体のリズムが乱れ便秘もしやすい。
14:00
筋肉が合成されず運動量もダウン
寝ないと成長ホルモンが減るため筋肉量や運動量が落ちやすい。
21:00
遅い夕食をドカ食いしがち
眠くて朝食を抜くと昼食、夕食が遅れやすい。また、夕食の量も増えがち。
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ダイエットと睡眠に関係があるなんて意外でしょう? でも、よい睡眠をとることは、こんなにも「やせること」に効果的なんです。睡眠不足は美肌にも大敵! 今夜からしっかり眠って、ラクしてキレイを目指しましょう!
イラスト/ネコポンギポンギ 編集協力/及川愛子
【レタスクラブ編集部】