「40代になってから、爪が割れやすくなった気がする」「ボロボロな爪を見ると気分が落ち込む」。このようなお悩みはありませんか?
今回は、爪が割れやすくなる原因や対処法について解説します。「どうしてこんなに爪が割れるんだろう…」と悩んでいる方は、ぜひ参考にしてください。
まず、爪が割れたり欠けたりする原因について3つ紹介します。
40代以降、とくに更年期になると、女性ホルモン(エストロゲン)の減少によって爪が乾燥し、爪が割れやすくなる場合があります。
健康な爪は適度な水分を含んでいるため、弾力性があって割れにくいですが、爪が乾燥すると割れや欠けなどのトラブルにつながるのです。
貧血の人は体内の鉄が不足していることで、爪が割れたりスプーン状にくぼんだりしやすいといわれています。貧血気味な人は、普段の食事に鉄分が豊富な赤身肉やレバー、ひじきなどの食材を積極的に取り入れるといいでしょう。
水仕事を頻繁にしたり、セルフネイルの際に除光液をよく使ったりすると、爪が乾燥して割れやすくなってしまいます。
水仕事をする際はゴム手袋をはめたり、ネイルポリッシュを除去した後は、すぐにネイルクリームで保湿したりしましょう。
爪がボロボロだと、どうしても見た目が気になってしまいますよね。ここでは、爪を丈夫にする工夫を3つ紹介します。
乾燥してもろくなった爪を爪切りで切ると、衝撃によって爪が割れたり二枚爪になったりすることがあります。ダメージを抑えるためには、爪がやわらかくなる入浴後のタイミングで切ったり、ヤスリを使って整えたりすることをおすすめします。
また、切れ味の悪い爪切りを使うと爪が割れる原因になるため、爪切りの切れ味が悪い場合は買い替えを検討しましょう。
「ネイルオイルやネイルクリームって意味があるの?」と思ったことがある人もいるかもしれませんが、爪を割れにくくするためには爪の保湿が欠かせません。
爪用の保湿アイテムを使って、爪が作られる部分(爪の根元部分)である「爪母(そうぼ)」や、爪の裏の皮膚との間を重点的に保湿しましょう。
緑黄色野菜やうなぎ、レバーなどに多く含まれるビタミンAには、爪の乾燥を防いで割れにくくする働きがあります。すでにもろくなった爪を強くすることはできませんが、新しく生えてくる爪の質を改善することは可能です。
爪の材料であるタンパク質もあわせて意識的に摂取するといいでしょう。
爪を丈夫にするためには、爪切りの使用をなるべく控えたり、爪を保湿したりすることに加えて、からだの内側からケアできる漢方薬の活用も選択肢のひとつです。
爪を丈夫にするためには、次のような働きをもつ漢方薬を選びます。
・ホルモンバランスの乱れを整えて、加齢による爪トラブルを軽減する
・血流をよくして爪に栄養を届ける
・水分の循環をよくして爪の乾燥を防ぐ
・胃腸の調子を改善し、タンパク質の吸収を促す
漢方薬は根本からの改善を得意としているので、爪トラブルが起きにくい体質を手に入れられるでしょう。
・当帰芍薬散(とうきしゃくやくさん):血流をよくして爪に栄養を届けます。また、ホルモンバランスの乱れを整えて、加齢による不調にも働きかけます。生理痛、生理不順、更年期障害にも用いられる漢方薬です。
・十全大補湯(じゅうぜんたいほとう):エネルギーと栄養を補って血流をよくすることで、からだの隅々に栄養を与え、もろくなった爪に働きかけます。
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*漢方薬は比較的安全だといわれていますが、きちんと合ったものでないと十分な効果を得られないだけでなく、場合によっては副作用が生じることもあります。どの漢方薬が適切か見極めるには、専門家のアドバイスに従いましょう。
文・監修/稲嶺千春(いなみね・ちはる)●薬剤師。製薬企業や調剤薬局に勤務する中で、根本治療の大切さを広めたいと考え、精度の高い情報発信を行う。