昨年から新型コロナウイルス感染症の影響で、生活スタイルが大きく変わりました。今後も今のような状況がしばらく続くと見られています。だからこそ家計管理の方法を見直し、支出面の不安要素を取り除いておきたいですよね。
そこで、今回は、主婦の代表として暮らしニスタ編集部が選抜した“暮らしニスタ★主婦Stars”のメンバーであり、FPとしても活躍するくりくりくりこと栗林景子さんに、主婦目線の節約や家計管理について伺いました。栗林さんも実践している、身近なところから簡単にできる家計管理のコツについてご紹介します。
栗林さんによると、家計管理のポイントで大事なことは変動費ではなく固定費を見直すことだそう。変動費は食費や交際費、娯楽費などその時々で変わる費用のことで、固定費は光熱費や通信費など毎月必ず一定でかかる費用のことです。
「家計管理をしようと思うと、まず食費を見直す人は少なくないと思います。しかし、食費を今より1万円安くしようとすると、買い物や料理のたびに安いスーパーまで出かけてレシートを確認してあれこれと考えて、とかなり大変です。
しかし固定費を一度見直せば、あとは何もしないで放っておけばOK。あとは勝手に支出が減っていってくれます。ズボラさんほど固定費の見直しによる家計節約の効果が大きいんですよ」(栗林さん)
まずはその都度お財布から出ていくお金ではなく、月々引き落とされるお金を見直したほうが後から絶対に楽になると断言する栗林さん。家計管理においては、まずは「変動費ではなく固定費を見直す」とみなさんも念頭に入れていきましょう。
固定費の中でも簡単に見直せるのが光熱費です。外出自粛や在宅勤務によって昨年から光熱費がグっと高くなってしまった家庭も少なくないのではないでしょうか。
電気とガスは数年前から自由化になりました。これまで地域で決められた電力会社やガス会社を使うしかなかった家庭でも会社を自由に選べるので、料金やサービスを比較検討して自分の家にピッタリな会社と契約できます。
「うちの場合はもともとオール電化だったのですが、自由化のタイミングで自分で調べたり業者に確認したりした結果変えないほうが安いことがわかったのでそのままにしました。
この会社に変えたら月々の電気料金やガス料金がいくらになるのか、詳しく調べることができるサービスもあるので、そこで最安値を見つけるのも手だと思います。またガスと電気をセットで契約すると料金が安くなるサービスもあるので、思い切ってどちらも変えてみるのもおすすめです」(栗林さん)
光熱費の見直しで欠かせないのがやはり日々の節電です。栗林さんは家にいる時間が長い人こそ、節電のチャンスだと言います。
「お風呂が沸いたら自動保温はすぐに止める、給湯温度は季節によって1~2℃でも調整する、寒い時期に家で一人なら暖房はつけずにダウンなど暖かい服を着込む、エアコンは自動運転にする、冷蔵庫は季節によって強弱を使い分ける、冬場は氷を使わないので製氷機能は止める、トイレに便座暖房があるなら温度調整を止める、炊飯器は保温せず、1時間以内には保存容器へ入れ冷凍庫へ入れるなどなど。
やり始めると少し不便を感じるかもしれませんが、習慣化すればなんにも気になりません。日々の小さな積み重ねもたくさん集まれば、大きな節約効果が生まれます」(栗林さん)
光熱費の見直しをする上で大切なことは、短期的な結果を望まないこと。栗林さんは「見直してからすぐに結果が出るとは限りません。中長期的に見て安くなっていけばいいので、まず1年くらいは赤字覚悟を持つことが大事です」と言います。
「光熱費を見直してみると、瞬間的に割高になることがあります。たとえば家中の電球をLED電球に替えるなどすると、初期費用がグンとかかってしまいます。また『古い家電より新しい家電は電気代がかからない』と思って新しい家電を買うと、当然ながらその分支出は一気に増えます」(栗林さん)
家電の買い替えについては、「10年が買い替え時」とよく言われています。しかし、栗林さんは「10年サイクルは早いです。買ってから15年経って壊れてなかったら検討を始めていいタイミングだと思います」と断言。
買う際も最新モデルの製品を買うのではなく、1つ前のモデルである型落ちが狙い目です。新生活が始まる春の時期は各家電の新製品が多く店頭に並びます。春の時期の前には、型落ちが安くなることが多いのでそのタイミングで買うことをおすすめしていました。
もちろん家電の買い替えタイミングは人それぞれですが、「電気代も安くなるし、10年経ったから買い替えよう」と安易に考えるのはリスクが高いと言えます。
もしも壊れたわけではない家電を電気代の節約のために買い替えようと思ったら、その家電の購入費用と月々安くなる電気代を計算して「何年でペイできるのか」を計算してみるのがおすすめだそうです。その計算をした上で、自分で納得ができるのであれば購入に踏み切ってもいいのではないでしょうか。
以上、主婦FPの固定費削減術を、暮らしニスタ★主婦Stars栗林景子さんに教えていただきました!
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取材・文/秋山悠紀