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【ハチミツ通信Vol.6】ハチミツの消費期限

  • 2016年9月29日
  • ハニールネッサンス

ハチミツは腐らない食品の代表例ですが、この点について、どれくらいの人が知っているでしょうか?
実は、ハチミツを販売していても、知らない人がほとんどです!

「消費期限どれくらいですか?」
と、ご購入前に尋ねられるのですが、
「いえ・・・ないんですよ、消費期限はないんです!
念のため、よい風味が続く期間を考えて賞味期限を2~3年にしています。」

通常、理想的なハチミツの水分は20%以下です。これは雑菌などが入ってきた場合には死滅してしまう環境にあります。
これに加えて、グルコン酸と呼ばれる殺菌力の強い酸が入っていることで、雑菌に対して過酸化水素を発生させ、強力な殺菌力を発揮することがわかっているのです。
ハチミツ全体としても弱酸性という状況のため、大体の細菌類は2~3日もあれば死滅してしまうという結果が出ています。

これだけでも驚いていただければと思うのですが、こうした殺菌力を生かして、民間療法では美容でお肌の健康を促進したり、傷口に殺菌剤として塗りこむ手法があったりするのです。
普段からハチミツを使っていると、美容も殺菌剤としての使用も普通のことになってくるのですが、知らない人には「えっ?!」と思われる意外性があると思います。
ただの甘いものだと思っている人が多いのです!

一番驚くのは、何と言っても古代からミイラ保存や遺体の保存にハチミツが利用されてきたことでしょう。紀元前に保存されたハチミツの壺が見つかって、それが未だに食べられたということも言われています。
遺体の保存では、アレキサンダー大王がアリストテレスに学んで、自分の遺体をハチミツ漬けにするように指示し、そうして遺体が運ばれたことが有名なようです。
アリストテレスは実はミツバチ研究も熱心に行っていて、アレキサンダーはアリストテレスに師事していたんだそうなのです。
加えて、もっと具体的なのは、古代の中国で薬学者だったLi Shizhenという人が、Bencao Gangmuという薬学書に残したところによると、彼は有志の高齢者を募り、死を覚悟の生きた治験者として、通常の食事を完全にやめさせ、すべての食事をハチミツにし、お風呂もハチミツといった徹底をさせて、その高齢者が亡くなるまでこれを続けさせたそうなのです。
これは、遺体の腐敗を少なくさせるために体内からハチミツで殺菌させる意味で、亡くなった後はハチミツ漬けにし、石の棺に密封して約100年間保存したといいます。そして、100年後に棺を開封し、死者の遺体とハチミツの合わさったものを薬品として使ったそうな・・・・
肝を冷やす話みたいになってしまいましたが、ハチミツはこれくらい特別な「保存料」として古代から注目されていたことはよく分かる話ですね。

ちなみに、新鮮なハチミツは主成分が果糖とブドウ糖ですが、加熱したり、年数がたつと、糖分が変質してメチルフルフラールと呼ばれるものが生成されてきます。
このため、国際規格としても新鮮なハチミツの基準としてはヒドロキシメチルフルフラール(HMF)が40mg/kgとの目安があるのです。
腐らないといっても、食品として楽しむには少しずつ風味と品質は変化していくのです。


写真は、チウリはちみつ1年物(右)と、3年物(左)色が変化してきています。
このように、ハチミツは年数が立つと、HMFの生成とともに糖のカラメル化により色もどんどんと黒くなっていきます。

しかしカラメル化とHMF生成が進んだ数年物のビンテージハチミツも、実はマニアにとっては大いに関心があります。
ハニールネッサンスのチウリハチミツも、何年もたてばたつほどまるでメープルシロップのような味に変わってさらに別のおいしさが楽しめるようになりますが、ハチミツそのものも、数年物の味の変化を楽しめるまでになれば、さらに世界が広がりますよ。

HMFも、不純物のように思えますが実は最近の研究で高血圧や高血糖、メタボリックの対策になるということが明らかになりつつあり、鎌形赤血球病の特効薬として米国で利用までされたそうで、現在開発が進んでいます。そうなると、古いハチミツをあえて食べるのも良薬かもしれません。

ハチミツは、通常の生鮮食品とは違う視点で、新しいもの、古いもの、様々においしく試してみましょう!
皆様には、ぜひもっと広い視点でどんどんハチミツを楽しんでもらいたいと思います!

次回は、夏の疲れを体の内側から撃退するハチミツ水の楽しみ方をご紹介します♪

蜂蜜専門店ハニールネッサンス ハニーハンター:米川安寿

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