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【ハチミツ通信Vol.9】人と自然をつなぐ-養蜂in ネパール

  • 2017年3月7日
  • ハニールネッサンス

春になると、養蜂家は大忙し。蜂蜜のシーズン到来です。

ハニールネッサンスでは、美味しい蜂蜜を生み出しながら、生産地の花咲く豊かな森林環境を維持していく緑の保全活動を、養蜂家と協力して実践しています。

さて、皆さんは、養蜂をしながら自然を守ろうとする人々が世界中にいることをご存知ですか?
養蜂家は、事業を営むために「花が咲く環境」が必要です。そのために豊かな自然環境を守ろうとします。つまり養蜂家は、一生懸命に環境保全に取り組んでくれる貴重な人たちなのです。ほとんどの人は、そんな養蜂家の存在について考えたことがないかもしれません。しかし、世界中の辺境地や森の中に暮らす養蜂を営む人々が、自分たちの暮らす地域の自然を守ろうと一生懸命活動していることを知れば、ハチミツを食べることを通して、世界中の森を守れるかもしれないという大きな希望が生まれることでしょう。

水を浄化し、大地の栄養の循環を守り、生命の暮らす場を与える森は、どのような生物にとっても母なる家となっています。しかし現在、毎年500万ヘクタールほどの面積の森林が減少しています。天然の森林はもうほとんど残っていないと言っても過言ではありません。

そんな森を守ろうとする人間。それが「養蜂家」なのです。
今日は、ネパールの養蜂家の話をご紹介したいと思います。

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ハニーハンターの私があまりの美味しさに衝撃を受けたハチミツ、それはネパールの「チウリ」はちみつでした。2010年のことで、私は衝撃のあまり販売店に駆けつけ、生産地への訪問を打診しました。

向かったのは、少数民族Chepang(チェパン)民族が暮らすマクワンプル郡の山の中。首都から6時間進み、さらに険しい山道を3時間も進んだ場所にある村でした。アスファルト舗装のない、まだ作りたての細い道が延々と山の奥まで続いており、バイクや車で何度も転んだりスリップしたりしながらたどり着きました。村の人々の移動手段は徒歩か、運よく出会った車の荷台に乗るような状態でした。

そんな険しい森に暮らす人々にとって、「養蜂」は確固たる存在でした。
ミツバチが沢山暮らすネパールの森で、チェパンの人々は、家の軒先に自然巣を作るミツバチを家族のように迎え入れ、季節になると少しハチミツをもらう。そんな暮らしをしていました。

そんな村で、近年、養蜂がビジネスになり始めました。そして同時に、ハチミツの主要な蜜源となっていた「チウリの樹」が減りつつあることへの危機感が抱かれるようになりました。そこで私は、ハニーハンターとして、「樹も仕事の一部として植えましょう!そうすれば、将来的にも環境もお仕事も守られますよね!」と、説得を始めました。

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話を聞くと、実は村人自身も、危機感を感じて植樹の勉強をしていたということでした。しかし、一度の失敗で挫折してしまったというのです。
私は「諦めてはいけない」と、ハニーハンターとして説得を続けました。すると、村の人々は素晴らしい行動を始めてくれたのです。

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それは、「チウリ」の苗の植樹活動でした。交流を始めて3年目のこと、村の人々は子供から大人まで協力し合い種から苗を育て、4000本もの苗を森に植える活動を始めてくれました。それは、2017年の今年まで継続しています。

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ネパールが大地震に見舞われた2015年4月は、この村の家もほとんどが倒壊しました。しかし、村の人々は「生活を守ってくれているのは養蜂だから、森だって守らないと」ということで、植樹を継続していたのです。

養蜂家というのは、世界中の辺境地に暮らしながらも、その地の草花や樹木を良く知り、そしてそれらを守ろうと行動するような人々です。

環境破壊が進み、ますます天然資源が減っていく中、こうした「辺境地の養蜂家」の存在はすごく大きいことを、ハニールネッサンスでは伝えています。世界中の養蜂家の手を通して、毎年少しずつでも森が豊かになっていけば、未来は持続可能ではないでしょうか。

今年も、ネパールの山奥では、僻地に住む養蜂家の手で森が守られようとしています。そして、ヒマラヤを抱えるネパールで森が守られることは、同時にヒマラヤ山脈の水系の流域に暮らす13億人の生活水源を守ることにもつながります。

ぜひ、ハチミツを食べることで、世界中の養蜂家と繋がって欲しいと思います。 ハニールネッサンスはそんな活動を後押ししています。

なお、今回ご紹介したチウリのハチミツはハニールネッサンスHPでお求めいただけます。

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次回は、アンデス山脈とアマゾン川を抱えるペルーの素晴らしい養蜂への取り組みをご紹介します!

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