Lifehacker 2025年4月22日掲載の記事より転載
Googleは、AIを使って新たにビデオを生成したり、既存の画像にアニメーションを付けたりできる機能を展開しています。ただし、これらのビデオは非常に短く、しかも利用するには料金を支払う必要があります。
そして先日、Gemini AdvancedおよびGoogle One AI Premiumのユーザーが、同社のVeo 2ビデオモデルを使ってAI生成ビデオを作成できるようになったと発表しました。
昨年12月にこのモデルを初めて公開したときは、物理法則の理解や繊細な人間の感情、また低アングルやクローズアップ、浅い被写界深度など、特定の種類のショット生成に対応できる点をアピールしていました。
Veo 2は、4K解像度の数分間におよぶビデオを生成できる能力を持ってはいるものの、Gemini Advancedユーザーが今回利用できるのは8秒間、720pという非常に短いビデオに限られています。
また、Veo 2で生成できるビデオの月間上限も設定されていますが、その具体的な数は非公開です。上限に近づくと警告が表示されるようにはなっていますが、あまり透明性の高いシステムとは言えません。
Gemini AdvancedユーザーはGemini内で直接Veo 2を利用できますが、Google One AI Premiumの加入者はWhisk(同社のAIメディア生成ツール)を通じてもVeo 2にアクセスできます。
さらに、このVeo 2の提供開始に合わせて、Whiskで生成した画像にアニメーションを付けられる「Whisk Animate」も発表されました。これはVeo 2を使って、Whiskでつくった画像を動かす機能です。
もし月額20ドルを支払ってGeminiを利用している場合、Veo 2はすでに段階的に提供がはじまっています。
まずGoogleのチャットボットを開き、モデルのプルダウンから「Veo 2」を選択します。
そのあとは通常どおりAIに指示を与えればよいのですが、今回は特定のビデオをイメージしてプロンプトを入力します。
GoogleはVeo 2に短い物語のような内容を入力することを推奨していますが、最大で8秒間しか生成できないという点を忘れないようにしてください。相当短い物語です。
もしVeo 2の選択肢がまだ見当たらない場合は、しばらく待ってみてください。正式な展開には数週間かかる可能性があり、現時点ではすべてのGemini Advancedユーザーが利用できるわけではありません。
Google One AI Premiumの加入者は、Whiskでアニメーション化を試すことができます。
通常どおりWhiskを使って画像を生成するのですが、プロンプトを入力するか、AIにランダム生成させるかは自由です。
画像が生成されたら、画面上部に新しく追加された「ANIMATE」というオプションが表示されるはずです。
これをクリックし、どのようにアニメーションさせたいかをAIに指示すればOKです。
筆者自身はサブスクリプションを利用していないため、Veo 2を直接試すことはできません。
しかしGoogleのデモを見る限り、モデルはプロンプトに沿った動きをそこそこうまく表現しています。
たとえば、単一のプロンプトで、アイスクリームを食べている男性を4種類のスタイル(3Dアート、ピクセルアート、イラスト、リアル系)でつくり、アニメーション化した例が挙げられています。
しかし、完璧というわけではありません。
どの例もAI生成ビデオ特有のビジュアルの乱れや、オブジェクト同士が不自然に変形してつながってしまう問題が見られました。
また、完成度の低さもあり、3Dアートのアニメーションでは男性がアイスクリームを口元に持っていくだけで、食べる動作に至りません。リアル系生成では、指から食べているように見えるのに、アイスクリーム自体が存在しない状態になっています。
とはいえ、どんな画像でも(AI生成であろうとなかろうと)わずかに動きを加えられるという意味では面白い機能です。
しかし、月額20ドルというGoogleのサブスクリプションに加入しないと利用できないため、これが実用的で広く普及するかどうかは、やや疑問が残ります。
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翻訳:ライフハッカー・ジャパン編集部
Image: Google
Source: Whisk