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いまさら聞けない地球温暖化〜私たちが直面する現実とは〜
― 第23回エコ×エネ・カフェ(後編)

  • 2016年12月13日
  • 緑のgoo編集部

第23回エコ×エネ・カフェ(後編)

ゲスト講師、上野貴弘さん(電力中央研究所/社会経済研究所・主任研究員)と柳美樹さん(日本エネルギー経済研究所・主任研究員)からの話題提供をもとに、「エコロジー」と「エネルギー」のバランスのとれた社会について気楽にフラットに学び合う、エコ×エネ・カフェ。

上野さん・柳さんのゲストトークはこちら

まず最初に、参加者に今回のテーマ「地球温暖化」に対して抱くイメージを尋ねてみたところ、地球温暖化で「自然災害が増えそう」あるいは「食料が心配」という意見を持った人が多く、その対策については「ギリギリだが対応できる」と考えている人が多いことがわかりました。

ウォーミングアップ
ウォーミングアップとして、参加者の地球温暖化への関心をチェック

ゲストのお二人の話を聞いて、参加者の地球温暖化に対する考えはどう変わったでしょうか?ここでは、数名のグループにわかれて、自由に意見を交換する「ワールドカフェ」での対話から、参加者の声を紹介していきます。

問1:地球温暖化について、何がわかり、何を感じましたか?

現実を認識するための普及啓発が必要
・多くの人が『このまま手を打たなければ手遅れになる』と感じているにも関わらず、20年後、30年後の姿が具体的にイメージできていないように思います。2030年にはどうなっているのか、自分の孫の代になったらどうなのかと想像してみることで、今すぐ行動を起こさなければならない理由が明確になると考えます。
・温暖化は、環境への無関心が積み重なった結果です。みんなが意識を変えなくては、この状況は変わりません。
・これほどに温暖化や異常気象が叫ばれているのに、まだあまり危機感を持っていない人がいることに驚きました。今すぐ手を打つべきと、声をあげていく必要性を感じます。

「地球温暖化」を問題視することに疑問を感じる
・地球温暖化が問題だ、という前提で話されているようだけれど、温暖化が始まったとされる産業革命以前にも地球が暖かかった時期はあります。人類が関与しなくても、気候の変動は起こることです。冷害がなくなったり、北極海航路が開けるなど、いいことだってあるはずです。
・三内丸山遺跡が栄えていた時代は、温暖化の時代とも言われています。それでも文明は繁栄し、その後も人間は生きているのですから、そんなに深刻に考える必要がないのではと、どうしても考えてしまいます。

知識があっても、行動が伴っていない
・化石燃料を使うことがよくないとわかっていても、今すぐ再生可能エネルギーにすべて置き換えるのは現実的でないため、知識があるだけではどうにもならないことがあります。エネルギー選択がもっと柔軟にできるしくみが必要です。
・都会で生活していると、自然を相手に仕事をしている人と同じようには、温暖化の影響をリアルに感じ取れないような気がします。都市生活者が増えると、この傾向は益々大きくなるのではないかと心配です。

白シャツ女性
眼鏡の大学生

何が効果的な対策なのか、判断するのが難しい
・温暖化を止めるとはどういうことなのか。CO2排出量を減らすだけで本当に効果があるのか、疑問を感じました。何を基準に効果的な対策を判断すればよいのか、疑問が残ります。
・省エネのつもりでエコな家電を買っても、つい安心して電気をつけっぱなしにしてしまうこともありえます。実際に節電や省エネがどの程度有効なのか、気分だけではなく、具体的な効果を意識しながら行動を変えることが必要と感じます。

世界規模で考えていく必要がある
・気候変動の影響を大きく受けるのは、CO2をあまり出さないで生活している発展途上の島国に暮らす人が多いと知り、不公平さを感じました。この矛盾を解決する方法を考える必要があります。
・パリ協定が合意され、世界各国が温暖化への取り組みを進めようとしています。日本もその取り組みに遅れないよう、先手を打つ必要があると感じました。
・世界中の人が、温暖化の影響から逃れることはできません。地球全体にとっての成功シナリオを共有し、どの国も積極的に取り組める動機付けが必要です。

聴講1
聴講2

問2:地球温暖化はあなたにどんな影響を与えるでしょう。そして、あなたはどう行動しますか?

生活費への影響がでる
・再生可能エネルギーの導入にはお金がかかります。経済が低迷する中、コストが消費者に跳ね返ってくる不安も感じます。個人の生活に支障のない範囲で、温暖化対策に取り組めるしくみが必要です」「LEDに切り替えた方がいいと知りつつも、予算の関係で断念しています。温暖化の解決につながる生活用品には、何らかの優遇制度があればいいのに…と思います。
・温暖化対策につながると言われても、高価なものは学生には購入しにくいです。安価で新しい商品が開発されたらなぁと思います。

異常気象による自然災害を想定し、対策を考える
・これからは異常気象が起こることを前提とした暮らし方を考えなくてはいけません。家やインフラに関しても、リスク管理の意識をより高く持つ必要性を感じています。
・東京は自然災害に弱く、少しの大雨でもすぐに交通機関に影響が出ます。これからの都市インフラのあり方や、働き方を考え直すことも必要かもしれません。

聴講1
聴講2

技術革新や新技術の導入に期待
・CCS(二酸化炭素貯留)のような、大きなインパクトを持つ技術の投入が不可欠になると思います。ただし、どのような影響が出るかわからないという不安定要素もあるため、日本で導入することには慎重でありたいです。
・文系的な視点からだけではなく、理系の技術者的な視点を持つことも大切ですね。

女性
上野さんと大学生

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