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ひんやり、つるり♪岐阜・大垣の名物、水まんじゅうを江戸時代創業の老舗「餅惣」で

  • 2024年6月20日
  • ことりっぷ


豊かな湧き水に恵まれ、”水の都”と呼ばれる岐阜県・大垣市。良質の地下水は街づくりにも生かされていて、つるりとした生地でこし餡を包んだ水まんじゅうは夏の風物詩として広く愛されています。大垣城の近くにある老舗菓子店「餅惣」でも、水まんじゅうは夏の人気商品。氷水を入れた枡で提供される見た目や、水まんじゅうを入れたかき氷でも人気を集めています。大垣の街を訪ねて、暑い夏にぴったりの和菓子、水まんじゅうを味わってみませんか。
岐阜県西濃地方に位置する大垣市。古くから豊富な地下水に恵まれ、現在でも街のあちこちに湧き水スポットが見られます。また、川を利用した船運も盛んで、桜の時期や夏、秋などに市内の川で舟遊びをする催しも行われているほどです。
豊かな水は街づくりに生かされ、大垣の夏の風物詩となっている「水まんじゅう」も冷たい地下水から生まれた名物。初夏から秋にかけて市内の菓子店に並びます。
名古屋駅から大垣駅までは電車で30分ほど、そこから歩いて10分ほどで大垣城に到着します。明治時代にはすでに水まんじゅうを販売していたという菓子店「餅惣」は大垣城のすぐ東側。創業は1862(文久2)年。餅の専門店として始まり、今でも各種餅や赤飯、和菓子などをそろえるほか、3月下旬から9月上旬は水まんじゅうを販売しています。
水まんじゅうは吉野葛と本蕨粉で作る生地が決め手。水まんじゅうを作り始めた三代目が吉野葛と本蕨粉の配合に工夫を重ね、ほどよい大きさを追及して店独自の盃を使って蒸し上げるなど、試行錯誤の末に完成させました。現在も、生地を練り上げる硬さや水分のコントロールを大切に、蒸す前にもひと手間加えるなどして、ぷるんとした食感を生み出しているそうです。
生地に包まれているのは、なめらかなこし餡。生地とよくなじんで一体感があり、暑い時期にも重たくないさっぱりとした和菓子に仕上げられています。7~8月には、マスカルポーネチーズと青りんご餡入りの変わり種も登場するとか。その時期に訪れたら、ぜひこちらの味も試してみてはいかがでしょう。
涼感たっぷりの演出も、水まんじゅうが夏に愛される理由の一つ。餅惣では、以前は井戸舟と呼ばれる水槽に器ごと沈めて販売していたとか。現在、イートインの場合は、氷を入れた大垣の水に浮かべて提供されます。2個のカップ入りと3個の枡入りが選べますが、大垣ならではの風情が感じられる枡入りがおすすめ。枡も大垣の名産品で、餅惣で使っている八角枡は、国内シェアNo.1の枡専門メーカー、大橋量器にオーダーしたオリジナル。枡の内側に焼き印で大垣城が描かれているものもあるので、チェックしてみてくださいね。
水まんじゅうのひと味違う楽しみ方として、餅惣独自の水まん氷はいかがでしょう。近所の人が持ち帰って食べる頃に冷たくなっているようにと、かき氷とともに容器に入れたことが水まん氷の始まりだそうです。水まんじゅうが主役なので、かき氷の味はシンプルに。地下水とざらめを使った自家製の白蜜で、さっぱりと仕上げています。
創業から160年以上の歴史を持つ餅惣ですが、新たなお菓子の創作にも取り組んでいます。カップ入りのデザートも豊富で、抹茶や紅茶、コーヒー、ココアなど多彩な味がそろう蕨餅は「笑びもち」というユニークなネーミングで定番商品に。コーヒーの蕨餅とマスカルポーネの蕨餅を層にしたデザート「ティラミスっぽい蕨餅」は2024年春に登場したばかりです。
和洋菓子の魅力を組み合わせた焼菓子「最中とサブレ」は、最中をカップに見立ててサブレと組み合わせ。アーモンド、抹茶と白ごま、オオガキ珈琲、ココアなどのさまざまな味がそろい、最中とサブレを一度に味わう食感の珍しさも新鮮です。
大垣の夏を彩る銘菓水まんじゅうは水の恵みを生かし、夏においしく味わえる趣向を凝らした和菓子。時代を超えて大垣の人たちに親しまれています。ぜひ大垣の街を訪れて、水の都の街歩きとともに楽しんでみてくださいね。

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