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キャンプの恵み

Vol.124 贅沢な時間

  • 2017年4月4日
  • (社)日本キャンプ協会

私のふるさとは東京から電車で3時間半くらい。最寄り駅は無人駅なのに何故か特急が停まります。そこからさらに車で10分、歩くと50分。これといった産業もなく、人口は私が生れた頃の半分になってしまいました。

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子どもの頃から変わらない風景が自慢でしたが、数年前から中部横断道路の建設が始まり、田んぼも畑も少なくなってしまいました。田んぼがなくなるとザリガニやウシガエルが住んでいた堤もなくなり、タニシも沢ガニもあまり見る事が出来なくなりました。小学校からの帰り道、野イチゴやイタドリ、生栗を食べたり、桑の実を食べて口を紫色にして、母に怒られたり、レンゲソウに覆われた田んぼに入って花を摘んでいるとおじさんに怒られたり、片道たっぷり1時間の道のりを6年間通ったものです。

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今思うと、知らず知らずのうちに様々な事を自然や周りの大人たちから教えてもらいました。
井戸水が冬暖かく夏は冷たいこと。カエルの卵があるところ、季節ごとに変わる花々。授業では得られないことを道草を食うことで学びました。あの頃私にとって日常だった自然は、今の都会の子どもたちにとっては非日常。興味がなければ触れる事も体で感じることも難しい存在になりつつあります。あれもダメ、これもダメ、ここは危ないから近寄らないようにとか、自然のものだから取ってはいけない等々。これでは何がどう危険なのか、どうして自然のものは取ってはいけないのかを肌で感じることさえ出来ません。もちろん、安全は大事ですが、私は小さい頃、笹で手を切ったり、小枝で棘が刺さったり、丸太の橋を渡って川に落ちたり、そんな小さな経験の積み重ねから自然や人との付き合い方を学んだ気がするのです。年に数度田舎に帰り、変わっていくふるさとを見ながら、何もなかったけれど贅沢な時間を過ごしていたなぁと思う。今度帰省したら、写真を送ってくれた同級生と通学路をゆっくりと歩いてみようと思います。 (あっきー)

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