A: 太陽熱発電は、太陽エネルギーをミラーなどで熱媒体に集め、蒸気タービンなどで電気に変える発電方式だ。直射日光を活用するためエネルギーの利用効率が高い一方で、直射日光が弱い日本は太陽熱発電にあまり向いていないとされてきた。しかし、集熱パネルの面積が3〜8平方mほどで済み小さな屋根にも設置できる利点があるため、近年、太陽熱発電機器を設置して給湯や暖房などに利用する家庭が増えつつある。環境省は家庭用の太陽熱利用システムの設置を支援する「家庭用太陽熱利用システム普及加速化事業」を実施するなどして、国内での普及を後押ししている。
A: 2010年7月、日本とチュニジア両政府はチュニジア国内で太陽熱発電に関する共同プロジェクトを、NEDO技術開発機構の実証事業として実施することで合意した。タワー型の集光型太陽熱発電(5MW)と、ガスコンバインドサイクル発電(39MW)を複合して利用する太陽熱複合発電だ。集光型太陽熱設備で発生させた蒸気を、ガスコンバインドサイクル発電設備へ供給する。チュニジア政府は、太陽エネルギーの利用など全40事業からなる再生可能エネルギー導入計画の「チュニジア・ソーラー・プラン」を進めており、今回のプロジェクトもその一環。