A: 地球の内部は地下の深いところへ行けば行くほど温度が高くなっており、地下のマントル付近にはマグマと呼ばれる高温の岩石物質がある。この液体状のマグマが地表近くまで上ってきて「マグマだまり」をつくり、割れたり弱くなったりしている部分から地表へと噴き出す現象を噴火といい、その結果、溶岩などが積もってできた山を火山という。また、熱せられた地下水が水蒸気となり周りの岩石を破って爆発することや、火山ガスが噴き出すことも噴火と呼ばれる。わが国の火山活動は、陸のプレートの下に海底を形成するプレートが沈み込むことに関係しており、プレートの境界に沿って走る地域に火山が密集している。火山が分布する海溝側の境界線のことを「火山フロント」という。
A: 火山の噴火は、自然環境と人間環境の両面で周辺地域に対してさまざまな影響を及ぼす。噴火により放出される溶岩や火山礫、火山灰、火砕流、泥流、土石流などは、周辺の地形を大きく変化させ、表土を覆い、森林の木々を根絶やしにして生物の生息地を奪う。また、農林畜産業に壊滅的な被害を与えるほか、建築物や道路などの構造物が埋まってしまったり、火山灰による大気汚染が長期化したりするなど、市街地への影響も計り知れない。一方、噴火の原因となる地下の熱を地熱エネルギーとして利用する取り組みもある。