A: アホウドリは、19世紀前半までは数十万羽以上いたといわれているが、2010年現在の数は2570羽あまり。どうしてこんなに数が減ってしまったかというと、質のよい羽毛をとるために人間によって乱獲されたためだ。1949年の調査では絶滅宣言まで出されたが、1951年に伊豆諸島の鳥島で約10羽が発見され、1971年には尖閣列島でも生存が確認された。その後、国や研究者らによる保護増殖活動の結果、今の数に増やすことができた。とくに2007年度から行われている、小笠原群島の聟島(むこじま)への移送による新繁殖地形成事業への期待は大きい。
A: アホウドリは、7歳くらいになると10月上旬に繁殖地である島にやって来て巣をつくって卵を産み、秋から春にかけて子育てをする。繁殖期に産む卵の数はつがいあたり1個と少ない。また、毎年同じ相手とつがいをつくることも知られている。5月下旬にひなが巣立つと島を去り、残りの期間はすべて海の上で生活する。海にもぐることはあまり得意ではないが、海面付近を滑空してイカやカニ、魚などを見つけて食べる。アホウドリの寿命はとても長く、30年近く生きた個体もいる。