A: 沖縄県の城湾(なかぐすくわん)の泡瀬干潟には、希少な動植物が多く生息・生育している。魚類では中城湾特有のハゼであるトカゲハゼがわずかながら生息しているほか、スズメダイやベラ、イシモチ、ギンポなどの仲間がよく見られる。また、甲殻類では、オキナワヤワラガニやミナミコメツキガニが、貝類ではリュウキュウサルボウなどの二枚貝やカンギクなどの巻貝が採取されている。ニライカナイゴウナという新種と思われる小型の巻貝もいる。一方、鳥類では渡り鳥が多く、なかでもチドリ科のムナグロの越冬数は日本最大であると言われている。
A: 国と沖縄県は、沖縄市の泡瀬干潟を埋め立ててリゾート拠点にする計画を、1980年代から進めている。沖縄に対する経済振興策の一環として、特別自由貿易地域に指定された中城湾港新港地区の整備に伴い発生する浚渫土砂を干潟に埋め立て、国際交流リゾートや海洋性レクリエーション活動、情報・教育・文化などの総合拠点を整備しようという事業だ。2000年から一部工事が始まったが、公金支出差止訴訟で第一審、控訴審ともに国と県が敗訴。計画は見直されると思われたが、2010年8月に前原沖縄・北方担当大臣が1期工事の再開を明言。事業の実施をめぐる議論が再燃している。