A: 森林セラピーは、森林やそれを取り巻く環境などを活用して、健康の回復・維持・増進を図るための取り組みだ。森林浴などのレクリエーション活動や、医療、リハビリテーション、カウンセリング活動などさまざまな種類がある。2006年に行われた森林内での実証実験からは、都市部に比べ、ストレス時に高まる交感神経活動が抑制されること、代表的なストレスホルモンであるコルチゾール濃度（唾液中）が低下するなどのリラックス効果が科学的に確認された。2007年には、森林滞在によって、ガン抑制に有効な免疫活性（ＮＫ活性）が高い数値を示すこと、その効果には持続性があることなどが発表されるなど、いままで実証されていなかったさまざまな効果・効能が生理的に明らかになりつつある。
A: 森林浴などのレクリエーション活動、医療、リハビリテーションなど、森林を活用して健康の回復や維持、増進などを図る取り組みの森林セラピーへの関心が高まっている。森林セラピーの取り組みを日本で普及させている森林セラピー実行委員会では、森づくりなどを推進するため、「セラピーロード」や「森林セラピー基地」の認定を行っている。認定にあたっては、人による生理実験等を通し、専門家によってリラックス効果が森林医学の面から実証される。また、自然環境や関連施設などが一定水準で整備され、より快適に森林セラピーを受けることのできる環境が整っている場合に認定される。中心となる「セラピーフィールド」と、その森林セラピー基地の特色を活かすことができる「セラピーの森」で構成され、さまざまな森林セラピープログラムが用意されている。森林ウォーキングのほか、健康増進やリラックスを目的としたいろいろな健康増進プログラムを楽しむことができる。2007年４月の初回認定では、癒し効果の検証等の実験結果に加えて、宿泊施設、アクセス、将来構想などの条件も加味して総合的に評価が行われた結果、「森林浴発祥の地」（長野県上松町）など６カ所が認定されている。
