A: 富士火山は今からおよそ10万年前に誕生し、その後、大規模な崩壊などを繰り返し、およそ1万年前に現在の形がつくられたと考えられている。これまで何度も噴火してきたが、平安時代の864年の貞観の大噴火、近いところでは江戸時代に起きた1707年の宝永の大噴火がよく知られている。宝永の大噴火では、半月の間に0.7立方kmものマグマが噴出し、江戸の町では昼間でも行灯をともさなければならないほど噴煙で暗くなったという。近年、富士山の地下深くで、低周波地震が起きていると防災科学技術研究所が発表したこともあり、富士山噴火への関心が高まった。いつ噴火するかはっきりとした予測はついていないが、国や自治体、学会などがハザードマップを作成するなどして対策をとっている。
A: 富士山有料道路(富士スバルライン)は、山梨県の河口湖から富士山五合目までの約30kmに及ぶ山岳ドライブウェイで、1964年に開通した。シラビソやアカマツなどの森林帯を進み、約40分で標高2305mの5合目に到達するルートだ。一方、富士スバルラインの開通によって、道路周辺の樹木に影響が出ることがわかり、夏期の一時期に限ってマイカー規制をする対応がとられている。富士スバルラインの料金徴収期限は2005年6月に切れたが、無料化により自動車の交通量が増加し、自然環境の破壊につながることへの懸念が生まれ、山梨県は富士スバルラインを「維持管理有料道路」として、引き続き料金の徴収を実施している。道路の維持修繕費を利用者が負担して、沿道の環境保全を図る仕組みだ。